こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「『物忘れ』の症状が起こる心療内科の病気を教えて下さい」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

初診時のお悩みやお困りとして、

よく「物忘れ」についての訴えを耳にします。

「物忘れ」という症状は、心療内科・精神科においては、

様々な疾病(病気)が原因となって起こり得ます。

 

 

 

「物忘れ」が起こり得る心療内科・精神科の病気としては……

 

 

●うつ病、躁うつ病や適応障害の「抑うつ状態」
●睡眠障害(睡眠不足や覚醒困難、睡眠薬の持ち越し等)
●アルコールをはじめとした物質使用障害(アルコール性健忘等)
●ADHD等の発達障害
●せん妄(手術後や入院中によく起こります)
●離人症や解離性健忘
●急性ストレス障害
●若年性認知症(「若年性=65歳以下で発症」という意味です)

 

 

……まずは、このようなものが挙げられるでしょう。

 

 

 

中年期未満の方である場合、

頭部外傷やくも膜下出血といった

頭部(脳内)への明確なダメージが直前に発生していない限り、

「若年性認知症」である可能性は限りなく低いものと推察されます。

 

 

 

それより、うつ病、躁うつ病、適応障害の「抑うつ状態」に伴って、

記銘力・記憶力が一時的に落ちてしまう状態の方が、

成人~中年期の方の「物忘れ」が起こる頻度としては、

圧倒的に高いものと思われます。

この場合は、「物忘れ」以外の症状が出ていることや、

現在ご本人がストレス状況下に置かれていること等が、

同時に観察される可能性が高いです。

 

 

 

目下「睡眠」に対して何かしらの問題が生じている場合は、

その睡眠障害がキッカケとなって「物忘れ」が起こってしまっているケースも、

決して少なくはありません。

睡眠を「質」「量」共にしっかりと取っていらっしゃらない場合、

情報の記銘・保持・出力といった脳に対する一連の記憶作業が、

上手くいかなかったり、エラーを起こしてしまったりします。

 

 

 

そして、アルコールを頻繁に摂取されていらっしゃられる方の場合、

アルコール性健忘というものが、例え若かったとしても、充分に起こり得ます。

 

 

 

ですので、「物忘れ」でお困りでいらっしゃられる場合、

まずは、最近のご自身のストレス気分

睡眠や食事の状況といったものを振り返ってみられると、

何か気が付くことが出てくるかもしれません。

 

 

加えて、もし「物忘れ」に悩まれて、心療内科・精神科を受診される際、

上記の情報(ストレス・気分・睡眠・食事等)を医師にお伝え頂くことで、

より適切で有用な診察や治療方針を立てることに繋がりますので、

心に留めておいて頂けましたら幸いです。

 

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、適応障害、睡眠障害、パニック障害、不安障害、

自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、摂食障害、

アルコール使用障害、認知症など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。