こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人の発達障害です、朝起きられなくて困っています」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

ADHDや自閉スペクトラム症(以下、ASD)等の発達障害をお持ちの方は、睡眠障害を併発してる場合が多いことが知られています

 

 

例えば、ある程度目は覚めているのに、

「起きなくては」という気持ちすら起きずに、

そのまま目覚ましを止めて寝てしまうという背景には、

発達障害の方の特性の一つでもある「行動の転換(切り替え)」の苦手さが、

この朝起きるというシチュエーションでも起きてしまっている、

ということも十分にあり得るでしょう。

 

また、発達障害の方の持つ「過集中」により、

夜寝る前に行っていたことが中々切り上げられず、

夜更かしの習慣がついてしまい、

それが睡眠障害に繋がってしまうこともあります。

 

さらに、睡眠-覚醒といった体内時計(体内リズム)がずれてしまいやすいことも、

その原因の一つとして挙げられていますが、

ここで重要なことは

もし睡眠に何かしらの困難や障害を感じられた時には

一人で何とかしようと自己判断で対処するのでななく

医師のアドバイスと協力が、改善への「鍵」となってくるということです

 

 

 

医師の正しい指導の下で、早めに適切な治療を受けるのと同時に、

ご自分でできる朝寝坊を防ぐ工夫を下記に幾つかご紹介させて頂きます。

 

 

◎「時報タイプ」の目覚まし時計を使ってみる:時報機能をお勧めする理由は、時刻の情報と「起きなければならない」というこの2つが、リンクしている方が多いからです。その分かりやすい例として、目覚ましの音を止めたばかりの時にはまだ夢うつであっても、時間(時刻)を確認された途端、驚いて目が覚めた経験がある方は、比較的多いのではないでしょうか。スマホを目覚ましに使っている人は、時報アラームのアプリもありますので、良かったら試してみて下さい。

 

◎カーテンを開けて寝る:部屋のカーテンを閉めて寝る方が殆どかと思いますが、もし朝の起床に悩まれているようであれば、カーテンを開けて寝るという方法は有用です。人の身体は日光を感じて覚醒を始めます。目は閉じていたとしても、身体の方は目覚める準備を開始しているので、目が覚めた時に、より活動しやすくなります。

 

◎冬場は起きる時間に合わせて暖房をセットする:冬場の寒さは、暖かい布団への誘惑をより一層強めてしまいます。タイマーで起きる時間に合わせて暖房をセットしておき、部屋を暖めて活動しやすい環境を作っておきましょう。

 

◎毎朝観るテレビ番組を決めておく特にASDの方の場合は、目的を持った“習慣化”が非常に有効です。例えば、朝に観るお気に入りのニュース番組を決めておくことで、起きた後すぐの行動として「テレビをつける」という習慣が入り、そのまま朝の支度を始めるという流れにも繋がりやすくなります。

 

◎前日の内に、その日の朝の支度を済ませておく実行機能の課題から、ADHDの方の中には、朝起きて出掛ける支度をすることを考えると、つい「面倒くさいな」と思ってしまい、それが起きにくさへと繋がることがしばしばありますですので、前日の内に済ませておける朝の準備はされておき、朝行うことを出来るだけ減らしておく方法も有用です。

 

 

これらの方法は、あくまでも、毎日ある程度決まった時間に就寝されており

それをされてもなお、どうしても朝が起きられない、という方を対象としています

まずは、規則正しい起床-就寝を心掛けることが最優先事項であるということを、

どうか忘れないでください。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、ASD含むをはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。