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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ついつい感情を爆発させてしまったり、パニックになってしまったりすることは、大なり小なり誰にでもあることでしょう。しかし、多くの人の場合、何故そのような事態になってしまったのかについて、当事者であるご本人や周囲の人も、大まかには理解することが出来ます。
一方、大人の自閉スペクトラム症(以下、ASD)の方の場合は、感情を持て余してしまった時、周囲の理解が中々得づらい側面があります。怒りや悲しみ、辛さといった感情を持て余し対処しきれなくなるのですが、それが何の前触れもなく、突然爆発してしまう為、周囲の人たちを驚かせてしまうのです。
それどころか、ご本人でさえも、自分が爆発してしまう予兆やタイミングが中々掴めなかったり、理解できなかったりします。ご自分の「許容量」「キャパシティー」「限界」といったものが自覚しづらいところがあるのです。
感情がダウンしてしまった際、同じASDであっても、性差による違いが若干あるようです。
女性のASDの方の場合、多くは泣き出してしまったり、茫然として何も手が付かなくなったりします。怒っていても、それを言葉としては出しますが、人を叩いたり暴れたりは余りありません。「感情面」にその動揺が顕著に出てしまうといってもよいでしょう。
一方、男性のASDの方の場合は、心の容量が限界に達すると、つい暴力をふるってしまったり、物を壊してしまったり、その場から逃げてしまったりしがちです。「行動面」にその動揺が出やすい傾向があると言われています。
性差による表出の違いはありますが、何故このようなことがASDの方に起き易いのかと言いますと、一つには入ってくる情報が多く、情報過多に陥りやすいことが挙げられます。ASDの方は情報の無意識レベルでの取捨選択が難しく、人よりも多くの情報を拾ってしまうのです。
そして、その大量の情報を処理するだけの容量が不足してしまうこと。時には、人よりもストレス耐性が弱かったり、心に余裕が持ちにくかったりということもあります。
その為の対処法としては、ご自身が常に情報過多に陥りやすく、そのことで心身共に疲弊しやすいことで、急に感情が爆発したりダウンしたりすることを意識し、日頃から十分な休息や休憩をとるように心掛けることが有用でしょう。他にも、疲れている時や調子が優れない時は、人との接点を一時的に減らすこと(入ってくる刺激や情報を減らすこと)も、一つの方法です。また、カウンセリングを通して、自分の気持ちや感情を整理したり、本音や本心を聴いてもらったりするのも有効でしょう。
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