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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
職場のリーダー(上司)にとって、メンタルの不調で休職した部下をどのような形で職場復帰させるか、そして職場復帰できる状態にまで回復した人をどのように軌道に乗せていくか、ということは、非常に重要な役割になります。しかし、現実には、「どうしたら良いのかよく分からない…」と戸惑う上司や、「復職したのだからしっかりやってもらわないと!」といきなり高い負荷を掛ける上司など、混乱は少なくはありません。その結果として、折角職場復帰をされたのに、再度休職せざるを得なくなる等、余り上手くいかない状況が生じることも、決して少なくはないのです。
こうした状況に対して、リーダー(上司)はどのように対処すれば良いのでしょうか。ここでは『職場復帰のリーダーの行動として必要不可欠な4つのポイント』について説明をします。これは、厚生労働省の推奨する復職プログラムに基づいたものです。もしも、以下の指針の中であなたの職場に欠けているものがあるようならば、こちらから積極的に動いていく(質問していく)ことも良いでしょう。
Ⅰ.復職プログラムを策定する
まず一点目は、復職プログラムの策定です。これが上手くいかないケースの殆どは、上司の場当たり的、無計画な復帰対応の結果です。その中でも典型的なパターンは、復職時のストレス軽減のため、仕事を余り与えず、「無理をせず休みながらゆっくりと復帰してくれ」というコミュニケーションのみで復職させるやり方です。
これは一見、本人に対する配慮のように見えますが、多くの職場復帰者(復職者)は、「多忙な職場の中で、自分だけ仕事を与えられずに机についていることほど、辛いことはなかった」と述懐しています。仕事のプレッシャーはなくとも、周囲の視線からくるプレッシャーや、何も与えられないことへの焦りによって、却って職場復帰の道を阻害することになりかねません。
もちろん、いきなり仕事を与えろ、と言っている訳ではありません。当然ながら、復帰直後はフル稼働出来ませんから、慣らし運転の期間が必要です。
ここでのポイントは、復職者にとってのその先の見通しを明確にしておくことです。例えば、「どの位の負荷の仕事をいつまで行なうのか」、「どのタイミングで本格稼働するかの見極めを行なうのか」等の計画を、本人とともに立てておくことです。こうすることによって、「あとどの位やれば次のステップに進めるのか」が本人にとっても明確になり、目標が立てやすくなります。
「まあ、取り敢えず、ゆっくりやってくれ」と言うだけでは、復職者本人も目標の立て様がなく、不安ばかりが募ることになります。“職場復帰プログラム”というほどの大げさなものでなくても構わないので(勿論、あるに越したことはありませんが)、少なくとも復帰後一カ月間の勤務体系や仕事の割り振り、判断のタイミング等は、復職者本人ときちんと確認し合っていることが望ましいでしょう。
Ⅱ. モニタリングを怠らない
職場復帰プログラムを立てた後に必要になってくるのが「モニタリング」です。よくありがちなのが、上司が忙しすぎて、復職した部下のことまで気が回らない。そのため、部下が仕事でどのような成果を出しているのか把握できていない。さらに、酷い場合には、休んでいるのに気付かないといったケースです。これでは、折角プログラムを立てても意味が無くなってしまいます。
また、復職当初は、職場にいる時間だけでなく、職場外の時間にも意識を払う必要があります。例えば、復職者が、短縮勤務で早くに会社を退社した後、こっそり仕事を持ち帰り、夜中まで仕事をした結果、再度メンタル不調になってしまった事例や、逆に時間を持て余して深夜までゲームをしていて出勤できなくなった事例等があります。
大事なのは、表面的な管理ではなく、復職した直後は、まだ不安定な状態だと言う前提に立ち、しっかりと復職者をモニターする意識を持つことです。
Ⅲ. 情報を共有化する
3点目は、「情報の共有化」です。人は集団の中でメンタル不調になってしまいますが、立ち直る際も、集団の中で癒され、勇気付けられます。個人情報を守り、本人の了解の下、会社や上司、周囲の人々、医療関係者、家族等が、情報を共有化してサポートすることで様々な弊害が取り除かれます。
特に重要なのが、職場における情報の共有です。「1.復職プログラムの策定」の箇所でも記載したように、職場復帰者にとって気になるのが周囲の視線です。「周りは忙しいのに、自分はこんなことばかりしていて良いのだろうか」「周りの人は自分のことをどう考えているのだろうか」等、復職した人は、往々にしてこのようなことばかりを考えてしまいます。
一方で、周囲の人は、復職当初は腫れ物に触るような感覚で、「あの人に話し掛けて良いのだろうか?」という疑問を持ち始めます。このような、表立っては言えないけれどもお互いに探り合っているという状況は、復職直後の典型的な状態ですが、この状態こそ危険なのです。何故なら、このような状態は、仕事のトラブル等、ふとしたきっかけによって均衡が崩れやすく、それによって復職者を傷つけてしまうことが多いからです。
そこで、本人の病状や、復職計画に関する正しい情報を、本人の了解が得られる範囲で(←この点は絶対です。上司の独断による開示は、結局の所、復職者に不信感を抱かせることにしかなりません)、共有することが重要になってきます。本人や専門家としっかりコミュニケーションを取り、かつ承認を得られる範囲で、個人情報を守り、開示できる部分は出来るだけ職場のメンバーと共有するようにして下さい。それが、職場の理解を生み、周囲からの自発的なサポートに繋がるのです。
Ⅳ. 正しいメンタルヘルスの知識を持つ
4点目のポイントは、「職場のメンバー、ひいてはリーダー自身が、正しいメンタルヘルスの知識を持つ」ということです。正しい知識がないと、例え情報が共有されたとしても、周囲からのサポートを十分に得ることが出来ません。というのも、メンタル不調は心の内面の問題であるため、外見上は元気な人と変わりなく見えてしまうからです。従って、職場で忙しい人にとっては、職場復帰者は、ともすると、「暇そうな人」「仕事をしていない人」と見られてしまいかねないのです。
一方で、メンタル不調になった人にとって重要なのは「時間」です。ゆっくり時間を掛けて慣らしていくことが大事であり、焦りは禁物です。つまり、職場のメンバーと復職者とは、時間軸が異なるのです。それを理解していないと、復職プラン通りじっくりと職場復帰をしようと考えている復職者にとって、職場はとても居づらい場所になってしまうのは明白です。そうならないためにも、職場のリーダーを含めて、職場の全員がメンタルヘルスに関する正しい知識を持っておく必要があるのです。
当院では、適応障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、自律神経失調症、
パニック障害、不安障害、社交不安障害、恐怖症、
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月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、
過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、
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心身両面からの治療とサポートを行っております。
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