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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
一度依存症になってしまうと、完全に治る(=「完治する」)ことは難しいと言われています。これはネット・ゲーム依存においても同様であり、脳機能や社会性が充分に回復された後も、常に「自分はネットやオンラインゲームの使用に関しては、充分に気を付けないといけない」ということを念頭において行動されています。
これは何故かと言いますと、「履歴現象(りれきげんしょう)」と呼ばれる脳のメカニズムがあることに拠ります。一旦、縁が切れていても、脳に「抜け道」が出来てしまっているため、またその行動や物質に安易に触れ始めると、あっという間に依存状態に戻ってしまう現象を指します。脳には、一度強い快楽を覚えた行動の“履歴”が生涯刻まれると考えられています。
「依存症」は、再発を繰り返すリスクがつきまとう疾病なのです。一旦止めたとしても、再び同じような熱中状態に陥ってしまいます。但し、一度インターネット・ゲーム依存になってしまった方でも、回復(寛解)し、充実された社会生活・日常生活を送っている方は大勢いらっしゃられます。
そのために何が大切かと言うと、「自分は常に依存のリスクを背負っている」ということを忘れないことです。「回復して20年経ったから、もう大丈夫だ」と思った途端、依存に逆戻りしてしまうことも起こり得ます。例え、どんなに年数を経ていても、「大丈夫だ」ということはないのです。少しの油断や、魔が差した瞬間が、踏み留まれるか否かの大きな別れ道となります。
これはどの依存症にも共通して言えることですが、「自分は依存症の前には無力であり、完全に治る(完治する)ことはなく、そこ(それ)から遠ざかることでしか、コントロールする術はないのだ」と自覚することだけが、再発を防ぐ最善の道です。
とは言え、現代社会は、最早インターネットなしでは仕事や学業の課題をすることは困難であることも確かです。よって、「自分はオンラインの世界にはまり易い」ということを充分に意識された上で、例えば「余計なアプリは入れない」「仕事や学校の調べもの以外には使わない」「スマホは1日に決まった時刻にのみチェックする」「電車の中ではスマホはみない(代わりに読書をする)」といったように、ご自身を節制するような心掛けを、一度依存になられた方は皆様それぞれしっかりとなされていらっしゃられるようです。
このコラムを読まれまして、
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当院では、ゲーム障害、ネット依存、スマホ依存をはじめ、
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