こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人の発達障害です、『アンガーマネジメント』は役立ちますか?⑩」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

「アンガーマネジメント(怒りのコントロール法)」の第10回です。アンガーマネジメントは、ADHDを始めとした発達障害の方に限定されたものではなく、どんな方が使って頂いても役立つスキルの一つです

 

 

怒った方が上手くいく」と思われている方は、案外多いようですが、これは完全に「幻想」だと考えて下さい。本日はそのテーマで書かせて頂きます。

 

 

 

よく「怒った方がスッキリする」とか、「相手だって怒っているのだからお互い様」と仰られる方がいらっしゃられますが、これはあくまでも「自分だけの感想」であり、相手が同じとは限らないのです。しばしば、相手もそうだろうと思い込んでいる内に、気づくとその相手との間に、埋まらない溝や大きな距離感が生じてしまっていることは少なくありません。

 

 

「怒った方が、自分の主張が通りやすい」と言う方もいますが、一時的に主張が通ったとしても、そういったコミュニケーションを続けていると、これも次第に相手が離れていき、人間関係が長続きしません率直な意見交換と、感情のぶつかり合いは、違うのです。

 

 

怒り」は他者を遠ざけます怒りをぶつけられて喜ぶ人などいません。触らぬ神に祟りなし」と、出来る限り接点を持たないようにと、周囲は考えますその結果、怒っている人は、いつの間にか「孤立」してしまうことになるのです。

 

 

そして、「自分が怒った記憶」というものは案外残りませんが、「自分が怒られた記憶」というものは、かなり尾を引いて残りますそして、その人の印象形成においても「怒る人」というイメージが長期に渡り残ってしまうのです。

 

 

加えて、以前同コラムにて、書かせて頂いた内容と重複しますが、困ったことに、怒りは風呂敷に包んで持ち運びが可能なのです。これはどういう事かと言いますと、上の立場の人から怒りをぶつけられた場合、その当人に怒りを投げ返すことは、かなりのリスクが伴います。よって、その怒りを返す相手の矛先を、自分より下の立場(部下や子ども等)の人間に向けてしまうのです「職場では穏やかと定評がある人」が、家に帰ると一変して「暴君」になってしまう背景には、このような怒りの性質(「怒りは風呂敷に包んで持ち運びが可能」「怒りは高い所から低い所へと流れる」)が関係しているケースがかなりあります。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、心身症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また、ご希望の方には、アンガーマネジメントについてのご相談も承っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。