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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
自閉スペクトラム症(以下、ASD)の女性が、当事者として書かれている手記(書籍)は、かなり多く出版されています。
多くは海外の文献を翻訳したものですが、日本人によるものもあります。生活をされる上での参考にもなりますので、手に取られてみては如何でしょうか。ASDの当事者の方にとっては、同様の特性がある方の生活、悩み、工夫等を知る上での重要な情報源になります。
手記に掲載されている内容は、特性を理解し、支援を得て成功した話ばかりではありません。失敗し、苦労された話も数多く記されています。しかし、成功例にも失敗例にも、それぞれに学べるところがあるはずです。
但し、翻訳書の場合、当然ながら欧米の文化が色濃く出ています。主なテーマとして、異性とのデートやパーティーでの振る舞い等を扱っているのが特徴でしょう。欧米では、デートやパーティーが多く、その中での振る舞い方や付き合い方が、ASDの女性の方にとっては「重要な課題」となってくるのでしょう。
日本にもデートやパーティーはありますが、欧米とは頻度も形式も異なります。よって、翻訳書に書かれている内容をそのまま参考にするのではなく、日本なりの対応にアレンジしていく必要はありそうです。
また、日本のASDの女性の方の場合、デートやパーティーよりも、むしろ「女性同士の人間関係」に悩まれている方が多く見受けられるのも事実です。他にも、「体調不良」「学校や職場への不適応」を重要な課題(悩み)として捉えていらっしゃられるようです。
有名な手記としては、次のようなものがあります。
- ドナ・ウィリアムズ著『自閉症だったわたしへ』
- グニラ・ガーランド著『ずっと「普通」になりたかった。』
- テンプル・グランディン著『我、自閉症に生まれて』
- ルディ・シモン著『アスペルガーの女性がパートナーに知ってほしい22の心得』
- リアン・ホリデー・ウィリー著『アスペルガー的人生』
ウィリアムズやグランディンは、この分野の先駆者的存在です。自閉スペクトラム症の特性がありながら、周囲からの理解や支援を得て過ごしてきた日々を自伝に記しています。
ガーランドやウィリーも同様で、理解者を得て、生活の仕方を学び、発達障害の特性があることを気づかせないくらいにまで、社会生活のスキルを身に着けました。
シモンは、自身の体験や、同じ境遇にいる当事者からの話をもとに、ASDの女性の特徴や悩み、対応法をまとめています。
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