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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ADHDの方(あるいは、その傾向がある方)には、「報酬遅延の障害」という特性があります。そこで重要になってくる工夫が「自己報酬マネジメント」の設定です。これは、所謂「自分ご褒美」を上手く使っていくことに他なりません。
自分の生活のことや仕事というのは、「やって当たり前」という認識がありますし、仕事であれば労働に見合った給与や報酬を受け取ることが出来ます。
しかし、ADHDの方(あるいは、その傾向がある方)は、報酬遅延の障害のために、報酬の魅力は大きくとも時間の掛かる作業を回避しがちになり、報酬が小さくても即時性のある作業を好む傾向があります。
そのため、仕事や生活上の作業で、どうしてもたらねばならない事をする為に、自分自身で即時性のある報酬を設定する訳です。
ADHDの方の特性として「忘れっぽい」という側面があります。しかし、「視覚化」することを心掛けると、対処法としてかなり有用なことも知られています。“ご褒美”の場合も同様で、ご褒美を「視覚化」することが大切になってきます。
例えば、「この苦手な作業を終えたら、美味しいケーキを食べる」と心に決めておくだけよりも、フルーツ盛り沢山で色鮮やかで見ているだけで幸せな気分になりそうなケーキの写真をデスクトップに貼っておく方が、記憶に残りやすく、俄然やる気を高めてくれます。
では、もし数か月掛かりの長期的な取り組みに対して、とびきりのご褒美を設定するとしたらどうすれば良いのでしょう。視覚化したとしても、数か月先のご褒美の持つ魅力は徐々に下がっていってしまうでしょう。
そういった時には、「仕事の一区切りまで達成したらシールを1枚ずつ貼っていく」「20枚シールを貼ったら、とびきりのご褒美にたどり着く」というように、進捗状況がシールの貼った個数で分かるような視覚化の工夫が有効になってくることでしょう。
このコラムを読まれまして、
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