こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人のADHDの方に見られる『対人関係の特徴』を教えて下さい」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

一般的に、ADHDの方は、人見知りをせずに、非常に明るく社交的に振る舞えるという特徴をお持ちの方が多いとされています。

 

普通の方ならば、とても勇気がいることを言えることで、時として話がとんとん拍子に進み、結果的に良い方向へと進む場合があります。チャンスを逃さないスピード感となって人脈が広がり、それをビジネスの成功という結果に繋げることが出来る方もいらっしゃられます。

 

 

しかし、ADHDの衝動性は時として異性関係においても同じように現れます。例えば、結婚や離婚といった人生において重大な決断も衝動的にしてしまいがちなのです。

 

そのため、ADHDの方は離婚率が高い傾向があったり、友人や同僚、雇用主との良好な関係性を長く継続して続けていくことが難しかったり、といったことが起こりやすいと言われています。

 

このようなタイプのADHDの方は、そういったご自身の体験から、「上手くいくのは、最初だけ。本当の自分を知られてしまったら、皆離れていく」と考えてしまいがちです。

 

 

初対面の相手を惹きつける魅力を持つADHDの方々ですが、その一方で、まめに連絡を取り合うことや、安定した情緒を維持することは難しく、人間関係を継続させることは苦手です。

 

「マメさ」と「安定感」が大事であることは充分に認識されており、今までのご自身の体験から得た教訓から「今度こそ、マメに連絡をするから」とか、「今度はあんなイライラをぶつけることなんてしないから」等といった決意はするものの、長期間にわたってADHDの特性である衝動性をコントロールするのは至難の業です。

 

そして、分かっていても衝動的に相手に対して怒りをぶつけてしまう等の失敗を繰り返し、実際に人間関係の破綻が続いてしまうと、「相手に見捨てられるかもしれない」という不安(見捨てられ不安)を抱くようになる方も少なくはありません。

 

 

また、相手に見捨てられて傷つくのを恐れるあまり、常に人間関係に対して距離を置いて、“本当の自分”を見せないように振る舞おうとされる方もいらっしゃられます。けれども、本心では誰かと強く結びついていたいと願っているために、いずれの場合であっても、とても葛藤の強い状況に陥ってしまうのです。

 

 

 

このように、人間関係の継続が中々難しいということはADHDの方にとっては、本当に大変なことでしょう。しかし、先述の通り、短時間で人との距離をぐっと近づけることができるADHDの方の特性そのものは、決してネガティブなものだけではありません

 

 

他の方が真似のできないような仕事をされて活躍されている方もいらっしゃいますし、ご自分の魅力を発揮して幸せな対人関係や家庭を持っている方も大勢いらっしゃられます。

 

 

つまり、ご自身のADHDの特性を全て打ち消そうとされる必要はないということです。ご自身のプラスな部分を活用しながら、ご自分のADHDの特性と上手く付き合っていくことは、決して不可能ではないのです。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、

統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。