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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
今まで5回に渡り「SET-UP」コミュニケーションについて記載させて頂きました。繰り返しになってしまい恐縮ですが、この「SET-UP」コミュニケーションは、境界性パーソナリティ障害の方と向き合うために開発されました。それ以外においても、ストレスが大きい状況下に置かれている方々との対話においても有用であると言われています。
境界性パーソナリティ障害の方は、時に多くの要求をされたり、我慢がきかなかったりされることが間々あることでしょう。そうなってしまわれるのは、境界性パーソナリティ障害の方が「今この瞬間」を生きているからです。
「今この瞬間」の体験というものは、周囲の方々にとっては文脈や脈絡のないものとして感じられるかもしれません。その直前、それ以前に何があったかも、あるいは後から何が起こりそうかも、境界性パーソナリティ障害の方が、その瞬間に何を感じられるかには影響を及ぼしません。現在の考えや気持ちは「今この瞬間」に扱わないと気が済まないのです。
そういった態度に接し続けられていると、パートナーの方や周囲の方としては、相手の要求に対し、今すぐに応じたり反応したりしなければならないような気がしてしまうことでしょう。しかし、ストレスフルな対話の時は特に、対応(反応)を先送りする方が良いでしょう。対話を遅らせてしまうと、境界性パーソナリティ障害の方が激怒される場合もあるかと思います。それでも、対応される方ご自身が、結果について充分に考える前に反応してしまう事態は避けられます。
反応を遅らせる(=建設的な意味で先延ばしをする)際に、使い易い便利なフレーズを幾つか以下に挙げさせて頂きます。その時の相手の勢いに負けて、安易に安請け合いをしてしまい、後から「実際問題として無理であった」となるよりは、ずっと良いかと思います。
・「あなたにとって、このことが重要だということは、よく分かるわ。でも、そのためにも、先にスケジュールを確認させてちょうだい」
・「折り返し必ず連絡するね」
・「調整できそうか見直してみるから、ちょっと待っていてね」
・「心配なのはよく分かるよ。私に何が出来そうか、まずはよく考えてみるね」
・「ちょっとだけ待ってね。この電話だけ折り返してしまうから」
……等々。
今まで繰り返し強調させて頂きましたように、これら事実ベースに基づいた「真実(T)」発言をされる前に、「支援(S)」と「共感(E)」をしっかりと伝えておくこと(「SET」のコミュニケーション)をされると、境界性パーソナリティ障害の方の抱くジレンマや予九不満を幾ばくか和らげることができるでしょう。
当院では、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、
心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、
パニック障害、自律神経失調症、冷え症、摂食障害、
月経前症候群、更年期障害、統合失調症、強迫性障害、
過敏性腸症候群、境界性パーソナリティ障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っております。カウンセリングご希望の患者様は、診察時に医師にご相談下さい。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。