こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】 「『境界性パーソナリティ障害』の発症時期と経過について」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

以前境界性パーソナリティ障害」の方の「状態像(臨床像)の最後に、「発症時期」について少しだけ記載させて頂きました。今回は、その発症時期と経過について、もう少し詳細に書かせて頂きます。

 

 

発症時期は「10代後半から20代前半」にかけて最も多いものの、最近はその幅がより広がっているとも言われてきています。近年では、小学校中学年位で、既に境界性パーソナリティ障害の特徴を示すお子さんもいます。

 

 

このように低年齢化が進む一方で、成人期以降に問題が出てくるケースも多くなっていますこれは、思春期の時期(モラトリアム期)が長くなり、自立までに長い時間を要するようになったこととも関係していると言われています。全体的に見れば、むしろ発症のピークは高齢化している傾向も否めません。

 

 

一般に言われていることは、発症時期が早いタイプほど、養育環境の問題が深刻であった場合が多いということです。それに対して、一見何の問題もなさそう養育環境であり、愛情もそれなりに与えられて育った方が境界性パーソナリティ障害を呈する場合は、年齢が上がってから表面化しやすいことが知られています。

 

 

通常は、早期発症のケースの方が、問題はより深刻で、回復にも長時間要しますが、長期的な予後については、一括りには出来ません早期発症であっても、20歳を過ぎる頃にはすっかり落ち着かれるケースもありますし、20歳を過ぎた発症であっても、2~3年で落ち着かれることもあれば、40歳になってもまだ不安定という場合もあります。

 

 

境界性パーソナリティ障害は、永久に続く固定された性格ではありません多くは、思春期から青年期、成人早期(時には30代になって)始まる嵐のような感情と行動の失調状態です。けれども、止まない嵐はないように、通常は、数年で嵐は終息に向かいますただ、周囲の対応が不適切であったり、ご本人の抱えているものが深刻であったりする場合は、10年以上の時間を要することもあります。

 

 

しかし、多くの方は、30代半ばから落ち着き始め、年齢が上がるとともに改善されていかれます。その間に、思い詰めた行動に走る危険を回避することが出来れば、その方らしい人生にたどり着いていかれることでしょう。

 

 

 

当院では、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害、

心身症、ストレス関連疾病、睡眠障害(不眠症)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

パニック障害、自律神経失調症、冷え症、摂食障害、

月経前症候群、更年期障害、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、境界性パーソナリティ障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによるカウンセリング(心理療法)も行っておりますカウンセリングをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。