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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
過食症は、「身体面」「心理面」のみならず、時として「社会生活」にも多大な影響をもたらします。
社会生活に影響をもたらすケースには様々なパターンがありますが、今回は3つのパターンについて記載させて頂きます。
一つ目は、「過食衝動、あるいは自己誘発性の排出行動によって、社会生活が阻害されてしまうパターン」が挙げられます。
例えば、休日にご友人と会う約束であったり、休日明けに出勤(通学)をされたりする際、急な過食衝動の発生や、自己誘発性の排出行動後の疲弊感によって、予定を変更(あるいは、欠勤)せざるを得なくなってしまうことがあります。この急な過食衝動というものは、そう簡単に抑えられるものではないことが、非常に厄介なところでもあります。極端な話、「〇時から入社式がある」にも関わらず、急な過食衝動に襲われると、その大切な用事を休んででも、食べないではいられなくなってしまうこともあるのです。そうすると、「こんなに大事な用事を休んで、過食をしている自分って何なのだろう」といった果てしない罪悪感・自己否定感を味わってしまうことになるのです。
二つ目は、「過食衝動によって、身近な人を『使ってしまう』こと」です。これはどういうことかと言いますと、同居や近所にご家族やご友人がお住まいの場合、時としてその大切な方々を「巻き込んでしまう」ことがあります。
例えば、冷蔵庫などを家族と共有している場合、「(過食してしまうから)〇〇は買い置きしないで下さい」といったことを強要してしまったり、「今すぐ△△を買ってきて欲しい」と急な御遣いを頼んでしまったりします。「食」に自分だけでなく、周囲の人をも一緒に振り回してしまうので、こちらも本人の罪悪感に繋がってしまいます。また、もっと状況が深刻ですと、「冷蔵庫に買い置きをしていた家族が悪い」「何で自分がお願いした時に、そのまま買ってきてしまったの」と相手を責めてしまうことすら起こり得ます。
三つ目は、「知らず知らずの内に徐々に行動範囲が制限されていってしまうこと」です。過食症の患者様の中には、何かしらの強迫観念、即ち、「自分ルール」にいつの間にか縛られてしまう方も少なくありません。この強迫観念は、その人ごとに違いがありますが、最も多くみられるのが、「体重」や「体型」に纏わるものかと思われます。他にも、「食」に纏わるものも挙げられます。
例えば、「●●kgに体重が落ちていないと、恥ずかしくて外に出られない」「ウエストが▲▲cm以上だと、外に着ていく服の準備がない」「友人と会う場合、ランチを挟むようならば、正直会いたくない…」等々といった考え方がその典型的なものです。そして、徐々に外出する機会や頻度、社会的な交流の接点が減っていってしまうのです。
これらは、決して特殊なパターンという訳ではなく、過食症に苦しまれる患者様にとって、程度の差はあれ、実感できる事柄ではないでしょうか。
過食症はきちんと治療をすれば、それだけ早く回復していく病気です。
このコラムを読まれまして、
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