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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
発達障害の中でも、特に自閉スペクトラム症(以下、ASD)の方の中には、「人の顔が中々覚えられない」という悩みをお持ちの方も、少なくはありません。
その理由や原因は未だ明確にはされていません。但し、同じ映像を見る際、多くの方が無意識に視点を向ける場所は、人物が登場している時には、その人物の顔や口元(会話がなされている場合)に置かれているそうです。一方、ASDの方に同じ映像を見てもらった際、視線は、登場人物の顔や口元ではなく、その周辺、例えば小道具や持ち物等に置かれていたそうです。
また、ASD傾向が若年時・幼少期から明確な方の場合、「共同注視」という、二者(この場合、母子や保育者と子ども)が一緒に同じ物を見るという行動が、かなり遅くなることが知られています。
若干話題から外れるかもしれませんが、私たちは、赤ん坊の時から、「人の顔をしたようなもの」に対して興味を示すということが知られています。新生児はまだ視力も覚束ないような状態ですが、「人の顔(らしきもの)」に対して、他の対象物に比べると、圧倒的に視線を向けることが多いそうです。そのくらい、私たちには無意識レベルで、「人の顔」というものに対して興味・関心が向くようになっているといっても過言ではないでしょう。「シュミラクラ現象」等はその典型例とも言えます。
一方、ASDの傾向が強い方であればあるほど、「視線が合わない」というその特徴を顕著に示されるように、人の顔というものへの興味・関心が低い傾向があります。時としてそのことが、「人の顔が覚えられない」という具体的なお悩みとして現れることが起こり得るのです。
このコラムを読まれまして、
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