こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「発達障害と『人の顔が覚えにくい』ことの関連性とは…?」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

発達障害の中でも、特に自閉スペクトラム症(以下、ASD)の方の中には、「人の顔が中々覚えられない」という悩みをお持ちの方も、少なくはありません。

 

 

その理由や原因は未だ明確にはされていません。但し、同じ映像を見る際、多くの方が無意識に視点を向ける場所は、人物が登場している時には、その人物の顔や口元(会話がなされている場合)に置かれているそうです。一方、ASDの方に同じ映像を見てもらった際、視線は、登場人物の顔や口元ではなく、その周辺、例えば小道具や持ち物等に置かれていたそうです。

 

 

また、ASD傾向が若年時・幼少期から明確な方の場合、共同注視という、二者(この場合、母子や保育者と子ども)が一緒に同じ物を見るという行動が、かなり遅くなることが知られています。

 

 

若干話題から外れるかもしれませんが、私たちは、赤ん坊の時から、人の顔をしたようなものに対して興味を示すということが知られています。新生児はまだ視力も覚束ないような状態ですが、「人の顔(らしきもの)」に対して、他の対象物に比べると、圧倒的に視線を向けることが多いそうです。そのくらい、私たちには無意識レベルで、「人の顔」というものに対して興味・関心が向くようになっているといっても過言ではないでしょう。シュミラクラ現象等はその典型例とも言えます。

 

 

一方、ASDの傾向が強い方であればあるほど、視線が合わないというその特徴を顕著に示されるように、人の顔というものへの興味・関心が低い傾向があります。時としてそのことが、人の顔が覚えられない」という具体的なお悩みとして現れることが起こり得るのです。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、心身症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、ネット依存、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。