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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
ネットやゲーム依存は、個人の資質とは別に、その個人を取り巻く「環境要因」も大きく作用します。環境要因の一つとして、まずはパソコンやスマホの普及率が格段に伸びていることが挙げられます。現在、スマホは既に1人1台という状況にかなり近く、誰もが容易にネットやゲームの世界に入っていける環境が、日本人においては整ってしまっているということが出来るでしょう。
こうした土壌の上で、例えば本人の周囲にゲーム好きの知人・友人等がおり、そういった方々に誘われて気楽にオンラインゲームを始めたところ、結局本人が一番ゲームに嵌ってしまったといった場合も珍しくはありません。他にも、どのようなケースがあるのかを、以下に挙げさせて頂きます。
★ 自分の居場所がない(感じられない)ケース
本人の周りの環境として、ご自分のことを話したり、ご自分の力を発揮できたりする場所がなく、そのためにネットの世界で自分の居場所や友人を探すというケースがあります。若年層の方、例えば専門学校や大学生の方の中には、学校に入ったものの、高校のように固定したクラスルームがないため、友人が出来ず、家に帰ってもやることがなく、時間を持て余してパソコンやスマホを閲覧するようになり、その時間がどんどん延びていってしまったというケースもあります。
☆ ネットの利用を放任されてしまったケース
一方で、学校や家庭が、ネットの過剰使用を容認してしまいやすい側面があるのも事実です。特に、学校では、パソコンやタブレットを使った授業を行っている所も、今の時代珍しくはなく、ネットの使用について制限を設けていない所もあります。また、ご家庭においても、他の同居されているご家族が、ネットやスマホを自由に使われている状態であれば、中々「使用制限」というものを設けづらくなってしまう、といった側面もあることでしょう。
★ 子どもを甘やかす家庭環境
同居されているご両親が、既にご自身の子ども(18歳以上であれば尚更)の行動をコントロールすることが困難になってしまっている、ということも有り得ます。幼少時より、甘やかして育ててしまったために、今更パソコンやスマホの使用を制限しようとしても、素直に家族の言う事に聴く耳を持ちません。そのためにどんどん使用時間が延びていき、ネット・ゲーム依存になってしまう、ということもあります。
☆ 父性が欠如した家庭環境
「父性の欠如」ということも要因としてあり得ます。家族の中で、特に子どもをコントロールする役割を担うはずの父親の影が薄い(家庭内における存在感が希薄)ということが、時に大きな問題となることがあります。単身赴任で父親が離れて暮らしていたり、離婚のために父親が不在であったり、父親の権威が家庭内で弱かったり、といったことが実際には考えられます。一見無関係に感じられるかもしれませんが、実際問題として、「父親不在のケース」が少なくないのも事実なのです。
★ ゲーム業界の責任
ゲーム業界にも責任がないとは言えません。依存しやすいゲームを提供し、過剰なまでに宣伝しているのが現状であり、エンドレスなゲームの仕組みの考案、課金制といった仕組みも「いかに長時間ゲームを楽しんでもらうか」を前提として作られています。ゲーム産業は、日本のみならず、世界的にも成長産業の一角であり、かつ目下のところ販売する上での規制はほぼありません。時折、「ゲームが面白過ぎるのが問題だ」と言う半分冗談、半分本気混じりの言葉すらよく耳にします。
このコラムを読まれまして、
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当院では、ゲーム障害、ネット依存、スマホ依存をはじめ、
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心身両面からの治療とサポートを行っております。
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