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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
大人の女性の発達障害の方の悩みとして、周囲から何かと「責められやすい」ということが挙げられます。例えば、発達障害が原因で日常生活や社会生活に支障が生じると、周囲からは「だらしがないからだ」とか「努力不足だ」などと責められることがしばしばです。
それが元となって自己否定的になってしまい、自己評価が低くなり、うつ病や不安障害などといった「二次障害」をきたしてしまうことも珍しくはありません。このような二次障害については、そこだけを見れば、女性も男性も同様に見られます。しかし、女性の方が「女の人なのに…」とより強く責められる傾向があることは、否定できない事実でもあるのです。
日本においては、男女のジェンダー・ロールが非常に固定的です。「明るくて、にこやかで、気配り上手で、常に男性を立てる」といった女性像に縛られています。所謂「やまとなでしこ」が、未だに日本女性の理想像なのです。日本の男性は、若い世代であっても、このようなイメージを女性に求めていることは珍しくありません。夫婦共働きの家庭においても、多くの場合、家事と育児は妻(女性)が担当しています。夫も家事や育児に協力しているとはいっても、ほんのわずかな部分しか担っていないケースがしばしば見られます。
ところが、発達障害の女性の特性は、そうした「男性が求める女性の役割」とは正反対であることが多いのです。そのことが「女の人なのに…」と責められる所以です。
結婚をして「妻」や「嫁」、「母」など求められる役割が増えると、それがさらに顕著になります。期待されるのは、いつも明るくてにこやかで気配り上手な女性でいることですが、自閉スペクトラム症(ASD)の方は対人関係が上手ではないため、親戚づきあいやご近所づきあいが出来ず、孤立してしまいがちになります。ADHDの方は、片付けが苦手で、家事全般が不得意です。こういったことが、女性の場合、あたかも出来て当然かのように、責められてしまうという辛さが出てくるのです。
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