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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
これはADHDの方に限ったことではありませんが、私たちは「やらなくてはいけない」と分かっていても、ついつい後回しや先延ばしにしてしまうことがあります。そして、この「先延ばし行動」に関して、ADHDの方の中には、かなり深刻なお悩みにもなっています。
実は、私たちの脳は「やらされ感」や「させられ感」を感じると、一気にストレスを感じてしまいます。実際に、「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾールの働きとも関係してきます。ですから、そこを敢えて、自分が主体的・自主的に行うようなイメージに変換すると、不思議なことに、一気に「やる気スイッチ」が入るのです。
例えば、「片付けないといけない」を「片付けたい」に、「やらなくてはいけない」を「やりたい」「やってみたい」というように言い換えてみるのです。実際にやってみたい表情で、声に出して言ってみることがコツです。1回でその気にならない時には、あたかも「演劇」をしているような気持ちで、何度でも言ってみましょう。
良い結果をイメージすることも重要です。ただ漫然と、目的なく行うのではなく、「これをするときっとこんな良いことが起こるに違いない」という素敵なビジョンを予想してみて下さい。「片付け」で例えるのならば、「綺麗に整頓されて取り出しやすいクローゼット」「必要なものがすぐに取り出せる本棚」など、「こうなると良いな、素敵だな」と感じるイメージを持って下さい。これも、やる気スイッチが入るための上手なやり方です。
そして、「適切な時間設定をする」ことも、やる気スイッチには大切な要素です。「必要以上に長くやろう」とか「終わるまで徹夜してでもやろう」という考え方は、余り得策とは言えません。何故なら、やる気スイッチを入れるためには、「出来るだけ取り組みやすくする」ことが最大のポイントだからです。例えば「朝の20分だけやる」というように、無理のない設定をされて下さい。そして、時間一杯になった際に「もう少しやりたいな」という気持ちが残ったならば、その気持ちは次の日(別の日)のためにぜひ持ち越して下さい。
最後になりますが、これらの「やる気スイッチを上手く押せた自分」に対して、精一杯褒めてあげて下さい。ご自分の手帳に、花丸やシールを貼っていっても良いでしょうし、ちょっとしたご褒美として美味しい物を食べても良いでしょう。あるいは、身近で応援してくれている人に報告することも、きっと相手から素敵なフィードバックが貰えることでしょう。
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