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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
近年、発達障害への注目が増してきたことに伴い、
耳にされることが増えたであろう言葉の中に「実行機能」という概念があります。
「実行機能」とは、目的を持つ一連の活動を効果的に行うために必要な機能です。
情報を一時的に記憶しながら、それを使って作業する機能や、
思考や行動を制御する機能などを含んでいます。
即ち、一言で表現すると「課題を段取りよくこなす能力」とも言えるでしょう。
この実行機能が低下すると、
他に注意が向くと前のことを忘れてしまう、
順序立てた行動が取れなくなってしまう、
自分が抑制できなくなる…といった諸症状が現れます。
もっと具体的に表現するのであれば、
課題がスムーズにこなせなくなったり、
その結果、提出期限が守れなかったり、
期限自体を管理できなかったり、
やらなくてはならないことを失念してしまったり…といったことが、
頻繁に起きてしまいます。
その一方で、些末なところに時間を掛け過ぎてしまったり、
今やることではないような他の事をやり始めてしまったりして、
中々課題が進みません。
時として、全体的に乱雑になってしまったり、
不注意によるミスを多発してしまったりすることもあります。
この実行機能の低下は、ADHDの特性をお持ちの方でも起きますし、
うつ症状や睡眠障害、不安症、驚愕障害、薬物依存症等でも起こり得ます。
そして、もう一つ、実行機能の低下を起こしやすいものが、
自閉スペクトラム症(以下、ASD)なのです。
実行機能は、時間の観念や、時間管理能力とも関連が深い能力でもあります。
実行機能は大まかに言うと、2つの能力で構成されています。
それが「継次処理能力」と「同時処理能力」です。
継次処理能力が「一つずつ順番に課題をこなす能力」とするならば、
同時処理能力は「複数の課題を並行して行う能力」だと言えます。
そして、ADHDの方は、前者の「継次処理能力」を苦手とされる傾向があり、
ASDの方は後者の「同時処理能力」の方を特に苦手とされる傾向がある、
といったことが言われています。
ASDの方は、「一つのこと」に注意が固定してしまい、
「注意の切り替え(転換的注意)」が不得手です。
そのために、並行して二つのことを行うことが苦手になりやすいのです。
人によっては、実際に、眼球運動に問題(支障)があり、
そのために視点を切り替えることに困難があるという場合も存在しています。
このコラムを読まれて、
ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、
興味・関心を抱かれた方は、
どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。
当院では、
大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、
睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、
心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。