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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
2回にわたって「アンガーマネジメント(怒りのコントロール)」について
ご紹介をさせて頂きました。
アンガーマネジメントは、近年になって、
社会人に求められる自己管理スキルという色合いを帯びてきていますが、
本来は、あらゆる方に適用することが出来る、
汎用性が高いという特徴を持っています。
もちろん、発達障害(あるいは、その傾向)をお持ちの方々にも、
ぜひ身に付けて頂きたいスキルの一つであると言えるでしょう。
1回目は「怒りの本質とは?」「怒りは二次感情である」といった内容。
2回目は「短期的な怒りに対処する方法」といった内容についてを主に扱ってきました。
3回目である今回は、
「怒りは『マイルド』な内に気付き、相手に脅威を与えない形で伝える」
という内容で書かせて頂きます。
「怒り」の正体とは……実は「違和感」から始まっているのです。
例えば、大きな共同作業テーブルで、数人の方が一緒に仕事をされていたとします。
ご自分の隣席の方が、席を立つ度に、作業テーブルにぶつけるような形で
椅子を戻す癖がある、と仮定しましょう。
最初は「あれ?何か急いでいたのかな?」という程度の認識かもしれません。
しかし、実はここからすでに「違和感(怒り)」の素は始まっています。
これが重なると「もう少し静かに椅子を戻してくれないかな…」と思い始めることでしょう。
そしてやがて、「ああ、何でこの人はこんなに荒立たしいのだろう。嫌だなぁ」という気持ちになり、
さらには、「何だか自分ばかり気遣っている気がしてきた…。イライラする…」となり、
最終的には、「もう我慢できない。いい加減にして欲しい」と相手に怒りをぶつけてしまうような事態も起こり得るでしょう。
しかし一方で、その怒りをぶつけられた相手としては、
「急にどうしたのだろう」と心底驚いてしまわれるかもしれません。
ここでのポイントは、いくつか列挙してみます。
ですので、もし相手に椅子を穏やかに戻して欲しい、ということを伝えるとするならば……
「申し訳ないのですが、私は音が気になる性格なので、離席される際に気遣って頂いてもよろしいでしょうか」
という伝え方など良いかもしれません。
そのように伝えることが出来たのであれば、
相手は「ああ、こちらこそ全然意識できていなくて申し訳なかったです」と
以後気を付けてくれるようになるかもしれません。
発達障害(あるいは、その傾向)をお持ちの方には、
周囲の刺激(五感に関するもの)への過敏性がある方も少なくはありません。
また「規則やルールをしっかりと守られる」という特性から、
「こうあるべき」というご自分の価値感(ルール)があり、
それが周囲の人々に認識されづらい時に、
イライラや怒りへと発展してしまうようなこともあります。
そういったことを未然に防ぎ、お互いにとって居心地の良い環境とする為にも
「怒りは『マイルド』な内に、Iメッセージで伝える」ということを、
心の片隅に留めておいて頂けましたら幸いです。
当院では、大人の発達障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、強迫性障害、PMSなど、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
またご希望の方には、アンガーマネジメントについてのご相談も承っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。