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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
発達障害の「原因」は、ごく最近まで判明していませんでしたが、
「脳」の機能に何かしらの関係があることは分かってきました。
ただ、それ以上のことは、未だ「仮説」の領域を出てはいません。
脳の機能に関しましては、発達障害(自閉スペクトラム症)がある方は、扁桃体、眼窩前頭野、側頭葉の働きが弱いことが分かっています。
これらの部分は、社会生活を送る上で欠かせない、人の気持ちを推し量る、状況を読む、感情をコントロールするといった働きに関連し、
「社会脳」とも呼ばれています。
よって、発達障害がある方は、社会脳の機能が上手く働いていないために、対人コミュニケーション場面において困難を抱えるのではないか、とも考えられています。
ADHDの方の場合は、脳の前頭前野、尾状核、側坐核、腹側被蓋野の機能や働き、
神経伝達物質の働きが関連しているとも考えられてきていますが、
こちらもまだ全容解明には至っていません。
他にも、遺伝的要因や、周産期・出産時の胎児の状態や、
出生後まもない頭部外傷など、様々な仮説が出されているのが現状です。
また、これらが複雑に組み合わさって発達障害は生じている、とする説もあります。
このように脳の仕組みや、それがどのように発達障害と関係しているのか未解明な部分が多々あるのですが、
発達障害の診断に、MRIやSPECTなどの画像検査を実施される医療機関もあります(※当院では、脳の画像検査は行ってはおりません)。
但し、その脳の画像検査は、診断を決定づけるものではなく、「参考にする」程度のものである、ということを覚えておいて頂けると幸いです。
「脳の画像検査」というと、つい万能的な期待をしてしまうものですが、あくまで“参考”程度の扱いであると思われておかれた方が、気持ち的には却って良いのかもしれません。
そして、「診断」ももちろん大切なことですが、今後ご自身がどのように日常生活や社会生活において実際に起きているお悩みやお困り事に対して、どのように「対処」されて行かれるのか、という視点もぜひ大切にされて下さい。
このコラムを読まれて、ご興味やご関心を持たれましたら、ぜひ当院にお問い合わせ下さい。
当院では、グレーゾーンの方も含めた大人の発達障害をはじめ、うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症など、
皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。