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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
前回のコラムにおいて、時として、アスペルガー障害(アスペルガー症候群)やその傾向をお持ちのパートナーの特性(共感性の課題)により、相手が心身にダメージを受けてしまう二次障害とされる「カサンドラ症候群(カサンドラ状態)」についてご紹介をさせて頂きました。
ここで誤解をしないで頂きたい点は、パートナーがアスペルガー障害(あるいはその傾向)を持っていたとしても、必ずカサンドラ症候群に陥るわけでは決してない、といことです。
多少の苦労があったとしても、上手くパートナーシップを取っていらっしゃられる方も沢山いらっしゃられます。
加えて、「きっと自分の夫(あるいは、パートナー)はアスペルガー障害に違いない…」ともし思われたとしても、すぐにパートナーに受診を促すことが、良い結果に繋がるとは決して限らない、ということも忘れないで下さい。
大人の発達障害に限らず、夫婦間の問題、家族間の問題、母子間の問題、あるいは職場での問題など、心の問題はほぼ「対人関係」に起因していると言っても過言ではありません。
かのアルフレッド・アドラーでさえ、
「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」
「究極的には、われわれの人生において対人関係以外の問題はないように見える」
という言葉を遺されているくらいです。
「あなた(=パートナー)と私が上手くいかないのは、あなたの方に問題があるからだと思う。だから病院に受診してみてくれない?」と言われて、すぐさま「そうだね」と納得される方がどれだけいらっしゃられるでしょうか。
パートナーに嫌な不快な気持ちを残すだけに終わってしまったり、場合によっては怒りや不信感、“傷つき”を引き出してしまうことすら起こり得ます。
もしも、ご自身がパートナーの特性に悩まれているようであれば、その悩まれているご本人(=ご自身)が、ぜひ医療機関等に相談されてみて下さい。
当院では、アスペルガー障害を含めた大人の発達障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症など、皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
また、パートナー(夫婦、カップル)との関係性によって生じるお悩みについても、対応しております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。