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医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。
「大人の発達障害」の認知度が上がるに伴い、耳にされるようになった言葉として「カサンドラ症候群(カサンドラ状態)」というものがあります。
これは2003年、イギリスの心理学者・アストンが「カサンドラ情動剥奪障害」という名称を使い始めたのが最初とされている、比較的新しい概念です。
アスペルガー障害(アスペルガー症候群)のパートナーを持った方が、共に生活を営む上で、徐々にパートナーとの関係に歪みが出てきてしまい、心理的なダメージを負ってしまうという“状態像”を指しています。
また、アスペルガー障害の確定診断を受けていなかったとしても、アスペルガー障害の傾向を持たれている方(グレーゾーンの方)がパートナーである場合も起こり得るとされています。
具体的にどのような症状が起こり得るかと言いますと、
●怒りや不安の感情
●抑うつ状態
●自己評価の極端な低下
●不眠症
●片頭痛
――といった心身両面の症状が起こり得ると言われています。
この「カサンドラ症候群(カサンドラ状態、カサンドラ情動剥奪障害)」は、
現段階ではあくまでも「状態像」であり、正式な“病名”等ではありません。
いずれにしても、このカサンドラ症候群は、現代社会ならではの、
「他者との関係性による症状」であると言えるでしょう。
そして、パートナーにアスペルガー障害(あるいは、その傾向)があるか否かに関わらず、
論理性重視のタイプと共感性重視のタイプの方とのパートナーシップであれば、同様の問題・課題が生じたとしても不思議ではないでしょう。
大切なのは、お互いに歩み寄って行こうとする意志と気持ちと行動なのではないでしょうか。
当院では、アスペルガー障害を含めた大人の発達障害をはじめ、
うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症など、皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。
また、パートナー(夫婦、カップル)との関係性によって生じるお悩みについても、対応しております。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。