今回は、『看護覚え書』(フロレンス・ナイチンゲール著)に見る「こころ」の5回目です。
よろしくお願いいたします。
(P43 住居の健康 より)
住居の健康を守るために、つぎの五つの基本的な要点がある。
各項目に詳述がありますが、今回は5の陽光に関連した内容をお送りいたします。
こころの健康には、睡眠が重要です。
心をつかさどる脳は、覚醒中は大なり小なり常に稼働しており、睡眠中にのみ休めるとも言えるからです。
そして、睡眠に日光が重要な役割を果たしていることが近年の睡眠研究にて判明してきています。
実は、ヒトの体内時計は約25時間で、24時間から1時間程度ずれているというのです。
そのままであれば、毎日1時間ずつずれていくので、生活が大変になりそうですが、実際はそうはなりません。
それは、ヒトの身体は日光を浴びることで、体内時計をリセットする機能を持っているからです。
リセットしてから、約15~16時間後に眠気が出現します。
家の中の明るさは、太陽光の1/10以下のため、室内にこもっているとこのリセット機能が働きません。
その生活を続けていると、身体が冬のモードになり、睡眠が浅く長くなります。
よってなるべく直射日光を浴びるか、せめて雨戸・カーテンをあけて外光を室内に取り入れることが重要です。
午前中、なるべくなら10時までに浴びるとよいとされます。
なお、夜に強い光を浴びてしまうと、身体が今が昼なのか夜なのかわからなくなってしまいます。
ですので、夜に強い光を浴びないようにすることも大切です。
日光は、そのほかにも体内でビタミンDを生成するのに必要など、身体的にも重要です。
浴びる時間ですが、エビデンスの高いものはまだないようですが、WHOはビタミンD生成のために5~15分程度を勧めているようですので、1つの目安にはなるでしょう。
日光をしっかり浴びることで、質の良い睡眠をとり、心身ともに健康になりましょう。
(次回に続きます)