Ⅰ. 「心療内科」で出来ること
医学には「心身相関」という考え方があります。
「心」と「身体(体)」は密接な関係があり、それぞれ双方向に影響し合っている、というものです。
身近な例を挙げますと、「緊張している時に、急にお腹を下してしまう」「心配事があると、頭痛が起きてくる」「気になることがあって、夜眠れなくなっている」…等が多くみられます。
また、身体的な症状(頭痛・腹痛・吐き気・下痢・便秘・発熱・息苦しさ・過呼吸・皮疹・震え・めまい・脱力など…)が出ており、総合内科や大病院で精密検査を受けられたにも関わらず、「異常なし」という判断をされた方の多くが、実は「心」の不調により「身体」に症状が起きていることも決して珍しいことではありません。
そうした場合、もちろん、身体に出た症状を治療する必要がありますが、同時に「心」にも影響が出ていたり、むしろ「心」の方がより深刻なダメージを受けていることが多く、「心」にも適切なケアが必要になってきます。
このとき、「心」と「身体」の両方を診る「心療内科」でお手伝いさせていただくこととなります。
心療内科では、身体に出た内科的な治療を行いつつ、同時に「心」のケアやメンテナンスを行っていくところなのです。
心療内科は、「患者さんの『全体』を診て、根本的な回復を目指していく」ところです。
Ⅱ.心療内科で診ることができる症状や病気
心療内科で診ることが可能な病気は、多岐に渡ります。
何故なら、お一人おひとりによって、身体症状としての表れ方が様々であるからです。
例えば、代表的な疾患の1つである自律神経失調症は、自律神経の不調によって起こる病気ですが、自律神経が私たちの身体のすみずみまで行き渡っておりますので、「どこ」に症状が出るか一概には言えません。
また、いつも決まった症状が起きるとは限らず、その都度ごとに症状は変化していくこともあります。
自律神経の不調や乱れを生む二大要因と呼ばれるのが、「ストレス」と「生活習慣」です。
特に、前者の「ストレス」に関しては、現代社会を生きる中で「全くない」と言える方はいないでしょう。
ストレスによって「気持ちが落ち込む、涙が止まらない」「やる気が起きない」「職場に行けない」「朝起きられない」「食欲がない、逆に食べ過ぎる」「眠れない、眠りすぎる」…等といったことは十分に起こり得ることであり、そういった場合も、心療内科に受診されることが適切かと思われます。
また、「心身症」と呼ばれる病気もあり、心の不調がきっかけとなり、身体に様々な症状を引き起こすものもあります。
その有名なものとしては、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎、円形脱毛症、摂食障害、過換気症候群などが挙げられるでしょう。
参考といたしまして、心療内科の受診が適している病気を以下に挙げさせて頂きます。
- 自律神経失調症
- 睡眠障害(不眠症・過眠症)
- 心身症(過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア、過換気症候群など…)
- 摂食障害(拒食・過食)
- 適応障害
- ストレス関連障害
- (身体化しやすいタイプの)うつ病
- 月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)
- 心因性発熱
Ⅲ. 心療内科における治療
心療内科における治療は、身体症状に対して適切な内科的治療を行うと同時に、「心」のケアも並行して行っていきます。
医師による精神面や生活習慣に対するアドバイス、そして必要に応じて投薬治療を行うこともあります。
漢方薬による治療(漢方療法)をご希望される患者様には、心療内科では漢方薬を保険適用内で処方することも可能です。
当院には漢方に精通している医師が在籍しておりますので、お気軽にご相談ください。
また、心理師によりカウンセリングも備えており、「心身両面からの治療」を整えております。
どうかお一人で悩み、苦しみを抱え込まず、気軽に最初の一歩を踏み出してはみませんか?
当院では、初診を860円~から受けることが可能です(各種保険診療適用)。
皆様のお話を聞かせてください。