こころのペリカン便り

Column

【Q/A】「他院で休職を指示されました。でも働きたいので、勤務可能の診断が欲しいです。」

当院にご興味下さり、誠にありがとうございます。

 

 

Q:「他院で休職を指示されました。でも働きたいので、勤務可能の診断が欲しいです。」というご相談に、お答えします。

 

 

A:その診断は困難ですね・・・。

 

 

詳細がわからないのでなんとも言えないところはありますが、いくつかパターンがあるかと思います。

 

1.実際に休職レベルの悪い具合であるが、自分としては普通と感じていて、勤務できると思っている

2.実際に休職レベルの悪い具合で、自分でも悪いと思ってはいるが、周囲に申し訳ないと思って、働きたいと思っている

3.実際に休職レベルの悪い具合で、自分でも悪いと思ってはいるが、金銭、キャリア的理由から休職できないと思っている

4.他院が重めに診断していて、自分としては違和感を持っている

 

などでしょうか(ほかの場合もあるかもしれません)。

 

1.これはいわゆる「頑張り屋さん」に多いのですが、かなり具合が悪い状態でも「いつもこれぐらい普通だった」「前はもっとひどかった」と考え、今がそれほど悪いとは感じていません。

それほど頑張れるのは本当にすごいことなのですが、心身が悲鳴を上げ始めているのは事実なので、どうかその声に耳を傾けていただけたらと思います。

その状態でこれ以上仕事を続けるのは、ご自身にとって不利益です。

どうか、ご自愛いただければと思います。

 

2.「周囲も頑張っているので、自分だけ休むのは迷惑がかかる、申し訳ない」と思われる方も本当に多いです。

周囲を心配されるお気持ちは本当に素敵なものとは思いますが、ご自身が休職しても周囲の方たちの負担が増えないように組織の上層部がマネージメントすべきであり、個人が負担するものではありませんし、実際背負い切れません。

 

3.確かに、金銭的なお悩みはあると思います。

しかし、本来お金は楽しく健康に生きるために稼ぐものであり、仕事はその手段にすぎないと思います。

一番大切な健康、生活が仕事のために犠牲になっては、本末転倒ではないでしょうか。

傷病手当という、金銭面を援助する制度もあります。(詳しくは別記事ご参照ください。)

何が一番大切か、どうかご再考いただければと思います。

 

4.他院がなぜそれほど重めに診断したのはなぜでしょうか。

他院の医師も、何の理由もなくあえてそのように診断することはないと思います。

その方が患者さん(相談者様)にとって利益があると判断した、何かしらがあるはずです。

たとえば、病状にも波がありますので、他院受診時は特に具合の悪い波のときだったのかもしれません。

あるいは、会社の産業医から精神科、心療内科受診を指示され、来院されるケースもありますが、その産業医からの紹介状に勤務中に気になる症状を呈している旨の報告があり、現在はまだ軽度であるものの今後悪化の危険性を考えたのかもしれません。

 

 

以上から、いずれのパターンでも勤務はお勧めしません。

そもそも勤務可能と判断できるのは、その他院のみです。

ある病院が勤務困難と判断しているものを別の病院が勝手に可能と判断するのは、危険で無責任な行為です。

休職を指示した病院に通院し、医師と相談しながら、勤務可能の診断を受けてください。

 

お大事になさってください。