医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)でございます。
当院にご興味下さり、誠にありがとうございます。
Q:「なぜ、漢方は最後に『湯』がつくのですか?」
A:漢方(の多く)は、本来は煎(せん)じて、服用するものだからです。
漢方薬は、「なんとなく体に優しそう」というイメージもあり、とっつきやすいところがメリットかと思います。
どうしても味が苦いのと(これも漢方によりますが)、基本的には粉であることを乗り越えていただけるのであれば、治療の選択肢の1つになると思います。
漢方薬は、保険収載(保険適応されるもの)されているものだけで100種類以上あり、心療内科、精神科といったメンタルの領域で有名な漢方もいくつもあります。
漢方の名称には、意味があります。
たとえば、葛根湯を例に挙げてみます。
この名称を分けると「葛根」と「湯」になります。
「葛根」は、葛(くず)の根を指しています。
「湯」がその使用方法を指しています。
漢方の多くが煎(せん)じて内服するものです。
この「煎」は、もちろん「煎茶(せんちゃ)」の「煎」と同じ意味で、「茶や薬草などを煮つめて成分をとり出す。」という意味です。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%85%8E%E3%81%9A%E3%82%8B/
つまり、お湯で煮詰めて成分を取り出す仕様の方剤が「湯」と名付けられています。
「湯」以外にも、末尾につく漢字はあり、たとえば「当帰芍薬散」などの「散」、「桂枝茯苓丸」の「丸」などがありあす。
「散」とは、「散剤(さんざい)」の意味で、「有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて粉末または微粒状に製したもの。おおむね粒径500 μm以下のもの。」となります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%A4%E5%BD%A2#%E5%89%A4%E5%BD%A2%E3%81%AE%E4%BE%8B
「散」は「散ずる」という意味があり、急性期疾患を治すという意味があります。
「丸」は、「丸剤」の意味で、「日本薬局方第15改正」の製剤総則では、以下のように定義されています。
1.丸剤とは、医薬品を球状に製したものである。
2.本剤を製するには、通例、有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤又はそのほかの適切な添加剤を加えて混和して均質とした後、適切な方法で球状に成型する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E5%89%A4
「丸」は「緩」と関連があり、緩徐に治すという意味があります。
なお、「正露丸」の「丸」も、同じ意味と思われます。
また、これらを煎剤として用いる場合には、末尾にさらに「料(りょう)」をつけ、「桂枝茯苓丸料」といった言い方をします。
他にも、「丹」=補給の目的があり、蜂蜜を使って練ったもの、「飲」=茶のように随時飲むことを想定された煎剤、「膏」=外用薬、塗り薬、などがあります。
ご興味のある方は、診察時にご相談ください。
今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)をよろしくお願いいたします。