前回に引き続き、躁うつ病に関するコラムを記載いたします。
今回は、DSM-5の診断基準を見ていきます。
双極Ⅰ型障害 Bipolar Ⅰ Disorder
診断基準
双極Ⅰ型障害と診断するためには、躁病エピソードについて以下の基準に該当することが必要である。
躁病エピソードには軽躁病エピソードや抑うつエピソードが先行したり、後に続いたりすることがある。
躁病エピソード
A.気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的となる。加えて、異常にかつ持続的に亢進した活動または活力がある。このような普段とは異なる期間が、少なくとも1週間、ほぼ毎日、1日の大半において持続する(入院治療が必要な場合はいかなる期間でもよい)。
[解説] 以前のコラムでも解説しましたが、人間である以上ある程度の幅での気分の上下があること自体は自然です。ただ、それが「異常に」上下しているなら、それは躁うつ病の可能性があります。多くは多幸的と呼ばれる、爽快な気分になり、開放的な雰囲気になることが多いですが、易怒的を伴うこともあります。なお、DSM-5には「気分が高揚し開放的というより、易怒性のみである場合には、少なくとも基準B(註:後述)の症状4つを伴う必要がある」との記載あり、あまり典型的ではない状態ではあります。
また、活動性が上がり、普段ではしない行動をとったりします。たとえば、見知らぬ人に話しかけたり、不特定多数の人と性的な関係を持ったりなどします。それが連日にわたり、1週間以上は続きます。
(明日に続きます)