こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「『過食症』について教えて下さい①」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

過食症(神経性過食症・神経性大食症):BNとは、以下の2点が含まれる場合に、その名称で呼ばれています。

 

□ 制限できず、沢山食べてしまう(過食)

□ 不適切な代償行為(自己誘発性嘔吐や下剤・利尿乱用、過活動、一転しての拒食)を行ってしまう。

 

 

2点目の「不適切な代償行為」を行っていない場合は、「過食性障害」という別の名称でDSM-V以降は呼ばれるようになりました。DSM-V以前は、非排出型の過食症と呼ばれていたものがそれに相応するでしょう。

 

 

過食性障害:BEDの場合は、不適切な代償行為には及ばず、過食のみが繰り返される病態を指しています。前出の通り、DSM-V以降に診断名称がついたものですが、以下のように診断基準の定義がなされています。

 

 

「過食性障害」とは、制限できず、沢山食べてしまい、不適切な代償行為には及ばず、その過食には以下の3つ以上が認められます。

 

□ 空腹じゃないのに

□ 満腹以上になるまで

□ スピーディーに食べて

□ 恥ずかしくて一人になり

□ 嫌気がさす

 

 

「過食症(神経性過食症・神経性大食症)」と「過食性障害」の違いは、「不適切な代償行為があるか否か」だけですので、上記の内容は当然ながら、過食症(神経性過食症・神経性大食症)の方が過食をされている時にも一致する内容であると考えて差し支えありません。

 

 

過食症・過食性障害のどちらであっても、自分が大量に食べ物を摂取している姿を、他者(家族も含めて)には見られたくないため、夜皆が寝静まった時や他の家族の不在時、あるいは、自室やトイレなど一人になれる場所で、隠れるように食べます。そして、そのような自分自身に惨めな気持ちを抱いてしまったり、「本当はこんなに食べたくなかったのに…」という罪悪感を抱かれてしまわれたりすることも、ご本人を苦しめてしまいます。

 

 

過食症・過食性障害は心療内科や精神科で治療を受けることで、回復していく疾病です。但し、長期間(人によっては10年以上過食をされている方も珍しくはありません)に渡り過食をされていた方であればあるほど、治療には時間を要してしまうのも既知の事実です。

 

 

よって、「もしかしたら自分は過食を起こしてしまっているのかもしれない」とお悩みになられていらっしゃられる方は、早めの受診をお勧め致します。何故なら、早期治療開始が、早期寛解に向かう最善策になるからです。一人で悩まず、一人で抱え込み過ぎず、どうか私たち専門家に頼って下さい。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

摂食障害(過食症、過食性障害)をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、社交不安障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、心身症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、ゲーム依存、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。