こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人のADHDの『不注意』について具体的に教えて下さい③」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

ADHDというと「注意力(集中力)が続かない」というイメージを、

きっと多くの方がお持ちなのではないでしょうか。

これは確かに正しい見解ですが、

ADHDの方が「必ずしもいつも注意力(集中力)が続かない訳ではない」

という事実も併せて知っておいておくと良いかと思います。

 

 

ADHDの方は、注意力が常に障害されているわけではありません。

ご本人が興味を感じられる特定の対象・出来事に対しては、

むしろ過剰なまでの注意力・集中力が向けられます(=過集中状態)

好きな仕事や趣味には、昼夜を忘れて熱中されるケースも見られます。

 

 

これに対して、義務的な作業を行う場合や、

新しい手順を習得する状況などにおいて、

ADHDの方はじっくりと集中して課題に取り組むことが困難なことが多いです。

すぐに気が逸れてしまい、目の前の課題に集中が出来なくなり、

つい別のことを考えてしまいます。

 

 

 

「注意」というものには、いくつかの側面があります。

注意の主な機能としては、

注意を持続させる「持続性」、注意を配分する「分配性」、

注意を切り替える「転換性」などが挙げられます。

 

ADHDの方の場合は、

特定の事柄に注意を持続する「持続性」の障害が見られることに加えて、

周囲の様々な事柄に注意を配分する「分配性」や、

必要に応じて注意の対象を切り替える「転換性」についても、

問題が見られることが多々あります。

 

 

一方ADHDの方が障害されているのは、

仕事の計画や手順を考えるといった複雑な行動を、全体としてプログラムし、

これを一定の順序に再構成することや、

マルチタスク状況などいくつかの複数の行動に同時に注意を向けること

ご自分の中の内的な衝動性を抑制すること…等が挙げられます。

 

これらは純粋な「注意」の問題(課題)に留まるものではなく、

知的活動全般に関わってくる問題(課題)となってくるのです。

そういった意味では「注意(不注意)」のみに過剰に目を向けるのではなく、

もっと広い視点でADHDの特性を捉えていく必要があるのかもしれません。

 

 

 

このコラムを読まれて、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含むをはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、

睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。