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【心療内科Q/A】「ADHDです、『先延ばし』を防ぐ方法を教えて下さい」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

ADHD(あるいは、その傾向)をお持ちの方の多くが

「いつまでも作業が手につかず、結局、期限に間に合わなかったり、

中途半端な状態になってしまったりする」というお悩みを持たれています

これは「先延ばし」と呼ばれ、ADHDの方の特性のひとつに挙げてもよいほど、

共通される悩みとなっています。

 

 

作業の進行を管理するには、スタートが肝心です。

確かにADHDの方には先延ばしの傾向がありますが、

ご自身でも「作業に取り掛かる(取っ掛かり)が苦手である」と

必要以上に強く思い込まれてしまわれている側面もあります

そして、その苦手意識が「ブレーキ」となり、

増々先延ばし癖が強くなっていく……という悪循環に陥ってしまっている

というケースも少なくはありません。

 

その作業の取っ掛かりを

実際的にも気持ち的にも負担を軽減させていくことが、

この課題に対して有効な方法だと言えるでしょう。

その方法を以下に挙げさせて頂きますので、

皆さまのご参考となりましたら幸いです。

 

□ やることに変化(メリハリ)をつける:ADHDの方は仕事において、長時間の集中力の持続が中々できません。ですので、同一のことを続けるようなスケジュールではなく、仕事内容に変化(メリハリ)をつけるような工夫をされると良いでしょう。例えば「午前中は外回りの仕事をして、午後は会社で資料の整理をしよう」といった具合です。また、可能であるようならば、身体を動かす作業を積極的に組み込まれることをお勧めします。
□ クエスト化してみる:クエストとは探索や冒険を意味します。作業は「ゲーム」であり、達成(クリア、ゴール)すれば報酬(ご褒美)が貰える、というように、ご自分で作業(ゲーム)を攻略していくような感覚を設定してみることは、実際にかなり有効です。その際は、ご自分の達成(クリア、ゴール)地点を明確にしておくこと、その達成地点を「頑張れば出来るかも…!」という簡単すぎず難しすぎない設定とされること。そして、もちろん達成された暁には、「報酬」として、自分で自分に何かしらのご褒美を設定すること。これらが、「クエスト化」する上でより上手く効力を発揮してくれることでしょう。「クエスト感覚」の一環として、「この課題が終わったら、自分は1段階レベルアップをする」というような、達成感を重ねていかれることもお勧めです。
□ 雰囲気を徐々に高めていく:やるべき作業にいきなり取り掛かろうとせず、作業に対して気持ちが向き合っていくように、徐々に雰囲気を高め、やる気を高めていくという方法があります(①→②→③)①まず椅子に座る。②作業に関連することを始める(例:資料を眺める、机に必要なものをセットする…等)。③作業スタート:そうすると、いつの間にか作業がスタートしています。
□ あえて自分を追いこむ:自分で切羽詰まった状態を“あえて”作り出します。例えば「今日この作業を終わらせます!」と誰かに宣言してしまう等です。そうすることによって「言ったからには守らなくては」という気持ちが働きます。

 

このコラムを読まれて、ご興味や関心を持たれました方は、

どうぞ当院までお気軽にお問い合わせください。

 

当院では、ADHDを含めた大人の発達障害をはじめ、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安障害、適応障害、摂食障害、パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、PMSなど、皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願いいたします。