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【心療内科Q/A】「自分の『べき』と他人の『べき』は違うということ~アンガーマネジメント①」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

関東在住の方が関西に旅行に行った際、エスカレーターに乗る時に、困惑することがあります。それは、関東でが、エスカレーターの右側を空けるのに対し、関西では左側を空けるからです。このように、ルールや価値観というものは、人や場所の違いによって、様々に形を変えるものです。中には自分にとって、受け入れ難いものもあるかもしれません。

 

 

ですが、そのどれもが正解なのです。不正解なんてないのです。人間は一人ひとり違う生き物、考えがそれぞれ違えば、価値観やルールも異なってきます。その全てをご自分の持つ価値観に当てはめようとすると無理が出てきてしまいます。

 

 

つまり「価値観」とは、極論すると、「~すべき」「~であるべき」という自分の中の考え方やこだわりのようなものです。そして、この「べき」にしがみつき過ぎると、人は怒りっぽくなります

 

 

「べき」にしがみつくということは、即ち、自分の「べき」を最優先にしてしまうことに他なりません。周囲の人にも、自分の「べき」を知らず知らずのうちに強要してしまうということです。ですが、それが受け入れられないと、「何で分かってくれないのだ!?」とイライラが募り、遂には、怒りを爆発させ、人間関係を壊してしまうことすら起こりかねません。

 

 

「べき」という考えや、価値観を持つことはごく自然なことです。前述しました通り、「べき」とはその人の持つ「こだわり」です。「こだわり」は、その人の人格(性格)に深みや味わいを生み出してくれる大切なエッセンスでもあります。ただ、ここで忘れてはならないのが、自分に「べき」があるように、相手にもその人なりの「べき」があるということです。

 

 

「わたし(自分)」というオンリーワンの人格(性格)を作る「べき」があるのと同じように、「あなた(相手)」というこれまたオンリーワンの人格(性格)を作っている「べき」があるのです。それは時に、相反する「べき」かもしれません。大切なのは、自分の「べき」にしがみつき過ぎないことです。人は人、自分は自分なのです。

 

 

加えて、気持ちにゆとりを持って他の人のもつ「べき」を客観視してみると、時として面白い発見もあります。「ああ、そういう考え方もあるのか」「自分の『べき』にも例外はあるよね」…等というように感じることは、ご自分の視野や発想を拡げることにも繋がります。海外旅行に行かれて、様々な文化に触れることで、新たな発見があるのと同じです。自分とは違う価値観を知ることは、人生においての成長に繋がります。

 

 

自分の「べき」にしがみつき過ぎないことは、やたらと怒ってしまうことを無くせるばかりか、自分の心的成長にも繋がるのです。もしも、価値観の相違により、誰かに対して怒りを感じた時、一旦立ち止まって、自分とその相手の「べき」を見比べてみて下さい。もしかすると、あなたにとって、有意義な発見が隠れているかもしれませんよ。

 

 

 

このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、

気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、うつ病適応障害をはじめ、

睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、不安症、

躁うつ病(双極性障害)、強迫症、心身症、

パニック症、摂食障害(過食症)、統合失調症、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

過敏性腸症候群(IBS)、ストレス関連障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

また当院では、診察と一緒に、専門の心理士(臨床心理士・公認心理師)資格を持ったカウンセラーによる精神科ショートケアも行っております精神科ショートケアプログラムをご希望される患者様は、診察時に医師にご相談下さい。当院のショートケアのプログラムには、アンガーマネジメントを扱っている回もあります。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。