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【心療内科Q/A】「ネット・ゲーム依存における『5つの依存型(タイプ)』とは?」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

ネットやゲームに「何を求めているのか」という動機は、その方の抱える課題だけでなく、特性をも反映してきます。そして、これは治療や介入アプローチにおいても重要な観点となり得ることがあります。

 

 

依存の治療を開始する際に、必ず質問しておきたい事柄としてそのこと(依存行動・依存物質)は、あなたに何をもたらしてくれましたか?というものがあります。この質問は、決してその方の反省や後悔を促すための質問ではありません。その方が、何を欲し、何を渇望していたのか。何に満たされない思いを感じていたのかを知る上で、大切な手掛かりとなるため、質問をしているのです。これは、上記のこととほぼ同様の考え方でしょう。

 

 

これまでの様々な研究により、ネットやゲームに人々が求めている要素を分類したところ、以下の5つのようなタイプがあることが分かってきました。人によっては、複数タイプが当てはまることもあります。

 

 

 

スリルと興奮を求める新奇性探求型多動傾向や衝動性が高く、強い刺激を求めるタイプです。この場合、アクションゲームやシューティングゲーム、アドベンチャー型のゲームを好み、ADHDやそれに関連した行動障害を伴っているケースが多く見られます。

 

 

征服や達成感、完璧な自己像を求める自己愛型征服し、達成感を高めることで自己有用感を味わおうとされるタイプです。高度なスキルや戦略、長時間の努力を必要とするRPG、RTS(リアルタイムストラテジー)等を好み、高度な達成を成し遂げようとされます。また、ネットの世界の“サイバーセルフ”に、“完璧な自分”を演じさせようとされます。課題は、ご自分の中の劣等感と優越感のバランス、及び自己愛です。また、自閉スペクトラム症の方の中には、このタイプのゲームにのめり込まれてしまわれる方も少なくありません。

 

 

★「気分の改善を求める情緒不安定型うつ状態や情緒的な不安定を解消されようとして、ネットやゲームに頼ろうとされるケースです。このタイプの方の中には、うつ状態や気分の起伏といった気分障害を抱えていらっしゃられる方もいます。そのうつ状態の背景には、家庭、職場、学校等における適応障害があることが多いです。

 

 

★「対人緊張や現実の葛藤から逃避する回避型社会不安や対人緊張が強いタイプの方にとっては、現実の対人関係は重荷になり苦痛となります。対面型のコミュニケーションではない、アバターを介した関わりや、テキスト(文章)によるコミュニケーションの方が楽だと感じ、そこでの交流に社会的満足を求めるケースも含まれます。消極的な避難場所としてネットゲームやSNSを利用しているため、ネットの関係が現実の人間関係に発展することを余り好みません。この中には、社交不安障害、対人恐怖症を始めとした不安症や、自閉スペクトラム症を抱えている方もしばしば見られます。

 

 

★「現実の葛藤からの救済を求める依存型家庭、職場、学校において何かしらの問題を抱え、ネットの世界に救済を求めるタイプであり、しばしば前出の「情緒不安型」が同居します。自分で自分自身を支えられず、相談に乗ってくれ、アドバイスや支えを与えてくれる存在をネット内に見つけ出し、その人(存在)に頼ろうとしてしまいます。女性に多く、SNSやチャットでの対人関係への依存が多く見られます。このタイプの方の場合、時に何らかの搾取や被害に遭ってしまうリスクが常に付きまとっています。

 

 

 

長期休暇中は、依存のキッカケにもなりやすい期間です。

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、ゲーム障害、ネット依存、スマホ依存をはじめ、

適応障害、うつ病、躁うつ病、不安障害(社交不安障害含む)

パニック障害、睡眠障害(不眠症)、自律神経失調症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、摂食障害、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

心身症、過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。