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「足が疲れ過ぎて眠れない~芍薬甘草湯」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方薬があります。これはこむら返り(就寝中の急なふくらはぎの痙攣)」に使用される代表的な漢方薬です。筋肉に関わる痛み全般に用いられています(※但し、温めても効果がない痛みに限られます)。

 

 

立ち仕事や歩きすぎて足が重く疲れたような時にも用いられます。よって、夜間のこむら返りによる不眠や、足が疲れ過ぎて眠れない場合の不眠の際には、この「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」が効きます。所謂、身体が疲れているのに眠れないという時に重宝される漢方薬だと言えるでしょう。

 

 

この「芍薬甘草湯」ですが、入っている生薬が、漢方薬の名称そのままの通り「芍薬(しゃくやく)」と「甘草(かんぞう)」の2種類の生薬のみで構成されています。一般的に、漢方薬は、使われている生薬の量が多い程「マイルド」、少ない程「鋭い切れ味」になる傾向があり(コーヒーのブレンドをイメージして頂けると分かり易いかもしれません)、そういった意味では、この「芍薬甘草湯」は、合う方には“切れ味良く”効果が見られます。

 

 

一方で、「甘草(かんぞう)」についてですが、それが多く含まれる漢方薬に関しては、長期の継続使用が余り推奨されていないのが残念なところです(「偽性アルドステロン症」のリスクが示唆されているからです)。よって、「芍薬甘草湯」をお使いになられてみたい患者様は、「頓服服用」か「短期間服用」、長期間服用をされる場合は別の漢方薬との「併用服用」など、ご自身の基礎疾患等も踏まえられてから、医師とご相談されてみられて下さい。

 

 

 

このコラムを読まれまして、ご自分の現在のご状況として、

気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、睡眠障害(不眠症)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安症、適応障害、パニック症、

自律神経失調症、心身症、冷え性、月経前症候群(PMS)、

摂食障害(過食症)、更年期障害、強迫症、統合失調症、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

なお、心療内科における漢方薬による不眠の治療をご希望の患者様は、診察時に医師の方にぜひご相談下さい

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。

 

出典:現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖症状からチャートで選ぶ漢方薬 杉山卓也著 SHOEISYA

参考資料:「Kampo Viewhttps://www.kampo-view.com/