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【心療内科 Q/A】「『自律訓練法』について教えて下さいⅡ~実践編」

A.

医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

自律訓練法について、2回に分けて記載させて頂いております。前回自律訓練法についてⅠ~概論編でした。今回は実践編となります。

 

 

「自律訓練法」は、始めの内は専門家のレクチャー(教示)があった方がやり易いかもしれません。しかし、慣れてくると自分一人でも出来るようになります。

 

 

ご自分一人で実施される場合のやり方は以下の通りです。自立訓練法は「基本公式」から始まり、「第1公式」、「第2公式」、「第3公式」…と進んでいき「第7公式」が最後になります。ただし、独りで実施される場合は、「第2公式」辺りで止めておくことが推奨されています。

 

 

静かな部屋で、ベッドに仰向けに寝ます(椅子でも可)。

● 軽く目を閉じて、体の力を抜きます。

●公式を繰り返し心の中で唱えます。頭の中にイメージしながら、何回か繰り返します。

 

 

基本公式 「気持ちがとても落ち着いている…」

第1公式 手足の重感「手足が重たい……」

第2公式 手足の温感「手足が温かい……」

そして、最後に「消去動作」を行って、終了となります。

 

 

まず、利き腕の練習から始めます。

 

右(左)手にそれとなく注意を向け、「気持ちがとても落ち着いている……手が重た~い…」と呼吸に合わせて、ゆっくりと5~10回唱えます。この時、右(左)手に力を入れないようにされて下さい

 

右(左)手の重たい感じ(重感)が出るようになったら、「気持ちが落ち着いている…右手が重たくて、さらに左手も重た~い」というように、「右手」→「右手 + 左手」→「両手 + 両足」 へと範囲を広げていきます。

 

「気持ちが落ち着いている…両手両足が重た~い…右手が温か~い…右手が重くて、温か~い…」というように、さらに左手、両足へと練習を進めていきます。

 

 

お風呂上りや寝る前に行われると、よりリラックスしやすく、冷えなどの改善に役立ちます。

 

 

1回の練習が終わったら、右(左)手が温かくなってもならなくても、必ず消去動作を行って下さい自律訓練法は催眠と深い関わりがありますので、意識や筋肉の状態を通常のレベルに引き上げるために、この消去動作が欠かせません。

 

 

消去動作」: 両手で握りこぶしを作り、胸元に強く引き寄せる。次に、思い切り手を伸ばしながらこぶしを開く。 その後、背骨を大きくそらせて背伸びをしながら、腹式呼吸を2、3回行います。

 

 

自律訓練法を行う際に大切な心構えが一つあります。それは「受身的注意集中」ということです。本来、注意するということ自体は能動的な行動ですが、それを受動的にしなさい、というところに自律訓練法のポイントがあります。

 

 

手に注意するのではなく、手の方に注意が何となく向いている状態とも言えます。リラックス出来ていることや、流れに身を任せることと同じような感覚です。

 

 

こういった状態が作れるようになると、自ずと心の声(疲れの自覚なども)を上手に聞き取れるようになっていかれることでしょう。

 

 

 

当院では、自律神経失調症をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、

摂食障害、パニック障害、睡眠障害(不眠症)、

月経前症候群、更年期障害、心身症、

統合失調症、強迫性障害、過敏性腸症候群、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。