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更年期障害を漢方的に考えると?Ⅱ

A.

 

前回同コラムにて更年期障害を中医学(漢方)の観点から考えると…?というタイトルで書かせて頂きました。その中で、更年期障害の養生には、中医学(漢方)の五臓の中で「腎(じん)」をしっかりと養生させることが重要であることも記載致しました。

 

 

更年期障害の養生には、「腎(じん)」の養生を基本とし、悩みに合わせて「肝(かん)」や「心(しん)」の養生をプラスしていく考え方になりますので、以下の内容を参考にして頂けましたら幸いです。

 

 

更年期障害の基本的な「腎(じん)」の養生:身体に潤いを与え、体内の余分な熱を冷ますことや、身体を温めて陽気を補うことで対処します。腎を補う黒い食材(黒ゴマ、黒豆、黒きくらげ)等がお勧めです。ストレスや不安は、症状を悪化させる原因です。症状が辛い時には、誰かに話したり、外出をされたりして、リフレッシュすることも大切です。漢方療法としては、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」等が用いられます。

 

 

更年期障害の「肝(かん)」の養生:腎の機能低下によって、肝に不調を来すと、イライラする、怒りっぽくなる、情緒不安定になる、頭痛、冷えのぼせ(頭は熱いのに手足は冷たい状態)等の諸症状が起こります。基本となる「腎」の養生を行いながら、「肝」の働きを改善するために血を補い、気を巡らせましょう。ブルーベリーなどのベリー類、肉類、柑橘類や香味野菜などの食材がお勧めです。スケジュールを詰めすぎず、休憩時間をきちんと作り、頑張り過ぎない生活を目指しましょう。漢方療法としては「加味逍遥散(かみしょうようさん)」等が用いられます。

 

 

更年期障害の「心(しん)」の養生:腎の潤いが不足して、熱を抑えきれなくなり、心の陽気が高まった状態です。そうすると、寝つきが悪くなる、早く目が覚める等の不眠の症状や、動悸やソワソワして落ち着かない等といった症状が現れます。腎の養生を基本に、心(しん)の熱を冷まして、心(しん)を安定させましょう。苦味のあるものや涼性の食材がお勧めです。ゴーヤ、ゆり根、小麦、緑茶などの食材を取り入れると良いでしょう。

 

 

 

このコラムを読まれて、ご自分の現在のご状況として、

気になる点がありました方や、興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、自律神経失調症をはじめ、

月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)、

更年期障害、心身症、冷え性、ストレス関連障害、

うつ病、躁うつ病(双極性障害)、不安症、適応障害

摂食障害(過食症)、パニック症、睡眠障害(不眠症)、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症)、

統合失調症、過敏性腸症候群(IBS)、強迫症など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

なお、漢方薬による治療をご希望の患者様は、診察時に医師の方にぜひご相談下さい当院のような心療内科では、健康保険適用で処方することも可能です。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン新宿ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。

 

出典:現場で使える薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖症状からチャートで選ぶ漢方薬 杉山卓也著 SHOEISYA

参考資料:「Kampo Viewhttps://www.kampo-view.com/