こころのペリカン便り

Column

【心療内科 Q/A】「『適応障害』について教えて下さい」

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

適応障害は、「ストレス関連障害群」の中に位置づけられています。キッカケとなる何らかのストレスが明確にあり、それに直面したことにより引き起こされます。心療内科、精神科を受診される患者様のかなりの方々が、この「適応障害」が主診断となる場合が多いことが知られています。

 

 

例えば、職場や学校、ご家庭等における特定のストレス(例:異動・定年、進学・転校、結婚・離婚等)に直面されたことが引き金となり、抑うつ気分や不安感に苛まれたり、場合によっては出社や登校、外出が出来なくなってしまったりすることも起こり得ます。

 

 

これらの症状は、一見するとうつ病や不安症とよく似ていますが、それらの診断分類には当て嵌まりません。言い換えると、うつ病や不安症のような症状(抑うつ気分や不安感)があり、そのために日常生活や社会生活に支障が出ているものの、どちらの診断基準も満たさないものを、「適応障害」と呼んでいるのです

 

 

適応障害は、特定のストレス因によって起こります。ストレス因に直面してから、3か月以内に症状が現れ、そのストレス因が除去されると、6か月以内に治まります但し、職場や学校、ご家庭等における特定のストレス因ですので、そう簡単に除去することは難しいのが現実です。そのためストレスが慢性化してしまい、時として、うつ病や不安症に診断が変わってしまう(重症化してしまう)こともあるので、注意が必要です。

 

 

適応障害の原因は、「3か月以内に起きた何らかのストレス」です但し、それは事故、犯罪被害、被災といった「即座に身の危険を感じた出来事」、身近な方との「死別」は除外されます(これらには別の診断名がつきます)。

 

 

職場においては、異動(転勤)、上司が変わる、職位が変わる、社内システムの大がかりな変更、労働条件(時間・場所・賃金)の大きな変更、職場の人間関係の大きな変化といったものが、ストレス因となり得るかと思われます。そして、同じストレスを受けても、適応障害に至る方もいれば、そうでない方がいるのも事実です。昨今のコロナ渦における勤務形態(あるいは、学習環境)の大きな変化も、その典型例と言えるのかもしれません。

 

 

適応障害の治療は、その「発症の原因となったストレス因」に対して、いかに対処をされていかれるかということに尽きるでしょう。もし、そのストレス因から物理的・精神的に距離を取ったり、何かしら調整をしたりすることが可能であるならば、それを行うに越したことはありません。

 

 

但し、そのような環境調整がすぐに可能である場合ばかりではないのが実際でしょう。そういった場合には、まずはご自身の心身の状態をしっかりと整えた後、そのストレス因に対して、どのような対処(=ストレスコーピング)が可能であるかを、検討されていかれることになります。

 

 

その際に、専門の知識を持っている医師や心理師による各種精神療法(心理療法)が、きっと役に立つことでしょう。当院では、患者様の置かれていらっしゃられるご状況をしっかりとお伺いし、患者様にとって最適と思われる各種精神療法・心理療法を実施しております。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、適応障害をはじめ、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)、

うつ病、躁うつ病、不安障害、摂食障害、自律神経失症、

パニック障害、睡眠障害、アルコール関連疾患、心身症

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。