こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「ADHDと関連深い『実行機能』を詳しく教えて下さい」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

私たちの脳には、状況を総合的に判断して行動を選ぶ「実行機能」が備わっています物事を計画通りに進めていくには、的確に状況を捉え、時には感情をコントロールしていかなくてはなりません。

 

 

私たちの脳は、その時々の状況を「認識」し、「相応しい対応」を選び、「確実に実行」します。この一連の働きのことを「実行機能」と呼びますADHDの方の場合、この実行機能に何らかのアンバランスが生じていると考えられています。

 

 

その実行機能には、以下のような具体的な機能があるとされています。

 

 

  1. 取り掛かり:やらなければならないことが複数ある時に、全体を把握し、優先順位を付けてからスタートします。
  2. 焦点化:漫然と取り組むのではなく、注意する対象を絞り込みます。更に、注意する対象を順番に、スムーズに移動させます。
  3. 遂行:最後までやり遂げる為に意識を研ぎ澄まし、頑張って作業のスピードを保ちます。
  4. 感情:感情をコントロールし、欲求のままに行動するのを防ぎます。
  5. 記憶:幾つかの作業を同時に進行させるために、情報を一時的に記憶しておく働き(ワーキングメモリー)を活用し、作業をスムーズに進めます。
  6. 行動:自分の行動を客観的に見つめることができ、必要な時は自分で自分を制御します。

 

 

このような機能(役割)を担っているのが、実行機能です。

 

 

よって、ADHDの方は、この機能が上手く働かない(アンバランスである)ことにより、「優先順位が分からない」「注意力が散漫(あるいは過集中)になってしまう」「思ったことをすぐに口にしてしまう」「同時並行処理(マルチタスク)が苦手である」…等といった悩みが出てきてしまうのです。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。