こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人のADHDの方への時間管理法 ③」【大人の発達障害】

A.

医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

今回は「大人のADHDの方への時間管理法」の3回目として、タイムログの付け方をご紹介させて頂きます。

 

 

「タイムログ」をつけると、自分の時間感覚だけに頼らず、正確な所要時間を割り出すことが出来るため、時間配分の失敗のない計画を立てることが出来ます実際に、どの作業にどの位の時間が掛かるのかを計測して、記録をつけてみましょう。

 

 

  1. 計測する項目を箇条書きにしておく:シーンごとに行うことを、時系列順に箇条書きにします。例えば、毎日の出勤であれば、「朝食(支度→食事を摂る→片付け)・歯磨きと洗顔・ヘアメイク・着替え・持ち物を整える」のように分けます。一度に全ての計測をするのは大変ですので、最初は「特にギリギリをやめたいシーン」から実践してみましょう。
  2. ストップウォッチ機能の操作に慣れておく:専用のストップウォッチを用意されても良いですし、携帯やスマホ内のストップウォッチ機能を使って頂いても構いません。もしスマホに最初から入っている時計アプリのストップウォッチ機能を使われるとしたら、「開始」とラップ」ボタンを利用されると便利です。箇条書きにされた通りの行動を始める時に「開始」ボタンを押されたら、項目ごとの行動が終わった時に「ラップ」ボタンを押します。「ラップ」ボタンでは一時停止はしませんが、そのまま前の行動から次の行動に移るまでの時間も含めて計測します。ラップ」ボタンを押す度に画面に記録が残るので、その場で逐一メモを取る手間が省けます
  3. 実際に計測をする:ADHD(あるいはその傾向)のある方は、不注意の特性があります。計測という作業が加わることで、会社や約束に遅刻してしまう事態や、計測そのものを失敗してしまうことが考えられます。よって、仕事に行く前の身支度の所要時間を計測する時は、休日などに、いつも通りを想定して行動してみる方が焦りませんし、失敗も少なく、行動そのものの見直しや気づきにも繋がりやすいでしょうまた、この計測は早さを競うものではありません。ですので、なるべく普段通りのスピードで準備し計測された方が、実際には役立ちますので、その点はご注意下さい。
  4. 計測の結果から「ギリギリ」の原因に気付く:計測をする前に、自分ではどの位の時間のつもりでいたかも出しておき、計測結果と比較してみましょう予想の当たりはずれをゲーム感覚で楽しめそうなら、計測してそのままにするのを防ぐことにもなると思います。

 

 

家の中の動線がすっきりとされている方の場合は、各行動ごとではなく、ざっくりと部屋の場所ごとで滞在時間を測っても良いでしょう。朝の出勤までのシーンなら、洗面所で10分、台所で15分、食卓で10分……等というようにまとめることが出来ます。

 

 

逆に、動線が複雑になっている方は、注意力が分散し、忘れ物やうっかりミスが起きやすくなる環境とも言えます身支度の順序や、必要な物の配置を変える等されて、動線をシンプル化するのも工夫の一つかもしれません。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、

月経前症候群、統合失調症、強迫性障害、

過敏性腸症候群、アルコール使用障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。