こころのペリカン便り

Column

【心療内科Q/A】「大人のADHDです、上手く生活していく為の『コツ』を教えて下さい」【大人の発達障害】

A.
医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)です。

 

 

ADHDの診断を受けている方や、ADHDの傾向(グレーゾーン)が見られる方が、上手く生活していく為には「3つのコツ」があります。

 

 

1つ目のコツは、自分のADHDによる特性を受け入れることです。

 

ご自分の特性を受け入れる為には、まず一般的なADHDの特性や症状について知る必要があります。

その次に、その中で自分に当て嵌まる特性や症状を見つけていき、今の困り事がどの症状で説明できるかを理解していくことになります。

 

 

 

2つ目は、その人その人に合った対処法がある、ということです。

 

ADHDの症状が生活にもたらす影響は多岐に渡るかもしれません。

しかし、果たして本当にADHDの方が皆、全ての困り事について対処策を講じる必要があるのでしょうか。

 

例えば、そもそも自炊しない主義の人であるならば、食事を作ることを目標とするのではなく、良い外食店やお惣菜店を複数確保しておくことの方がフィットします。

それでもなお栄養面にこだわるのであれば、そこの外食店やお惣菜店でのメニューを取捨選択すればよいのです。

 

忘れ物が多く、工夫をしたとしても、完璧に忘れ物をしないようにするのは無理という人ならば、バッグや行先に備えをしておくことで、リカバリーをするという方法もあります。

 

こうするべきという正解はありません。

 

自分が生きやすくなる方法を考えるのは基本ですが、一番困っていて、改善したいと思う部分から始め、そのやり方も個々のライフスタイルに合わせたやり方で良いのです。

 

 

 

3つ目は、「普通」になることを目指さないということです。

 

ここで言う「普通」とは、ADHDではない人基準の「普通」です。

違うのだということをお互いに受け入れることで、神経をすり減らすのをやめることが出来ます。

そして、ADHDの特性を持たれている方々には、ADHDではない人にはない“良さ”もあります。

得意・不得意のでこぼこがあったとして、それを平らにならすことは、大変苦しいことですし、ある意味では“もったいない”ことです。それでは、“その人らしさ”を削り取ってしまいます。

 

 

自分の中の何が良い所なのかを自覚出来ない、と感じている方もいらっしゃるかと思いますが、他の方にとってはもの凄く苦痛に感じたり、苦労をしたりされたことが、ご自分にとっては全く苦にならないことだった、という経験は今までなかったでしょうか。

 

周りの人から、「そんな事がよく出来るね」「真似できないよ」等と言われたようなことが、正にそれにあたります。

 

自分の良い所や、自分にしか出来ないことは、もう既にやれていることの中に、きっと沢山あるのではないでしょうか。

 

そういったものを、ぜひ見つけていって頂きたいと思います。

 

そして、自分を信じ、あくまでも対処法は、自分が活躍するための補助的なものであると認識して、自分の良い所を積極的に実践していって下さい。

 

 

 

このコラムを読まれまして、

ご自分の現在のご状況として気になる点がありました方や、

興味・関心を抱かれた方は、

どうぞ当院まで、お気軽にお問い合わせください。

 

 

当院では、

大人の発達障害(ADHD、自閉スペクトラム症含む)をはじめ、

うつ病、躁うつ病、不安障害、適応障害、摂食障害、

パニック障害、睡眠障害、自律神経失調症、月経前症候群、

統合失調症、強迫性障害など、

皆さまの抱えるこころのお悩みに対して、

心身両面からの治療とサポートを行っております。

 

 

今後とも、医療法人社団ペリカン六本木ペリカンこころクリニック(心療内科、精神科)を宜しくお願い致します。